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庄原市の木質バイオマス 里山再生につなげよう '09/4/27

 庄原市が、間伐材や木くずなどを燃料に加工して使う「木質バイオマス」事業に取り組んで三年目になる。森林が市の面積の84%を占めるが、手入れの行き届かない山が増えている。木材にかかわる仕事を新たにつくることで、荒廃した里山の再生につなげるのが狙いである。

 担い手不足などで衰退した林業を活気づかせるだけではない。地球温暖化を引き起こす二酸化炭素の排出量を少なくできる。灯油など化石燃料の使用量も減らせるだろう。一石三鳥、四鳥にもなる、と言えそうだ。

 燃料は「ペレット」と呼び、砕いた木材を圧縮して固めて作る。本年度に取りかかるのは、ペレット製造施設の建設である。事業の柱であり、国の補助金も得る予定だ。来年春にも稼働を始め、今の市内の需要量とほぼ同じ年四百トンの生産を目指す。五年後には千トンに増やす計画である。

 ただ、越えるべきハードルは多い。最大の課題は、木材を山で集めて施設まで運んで来る仕組みづくりだ。

 庄原市では、間伐材や切り落とされた枝などが年五万トン以上も山に放置されているという。利用しようにも搬出道がないからだ。架線を張って運び出す方法もあるが、割高で採算に合わない。

 木材とペレットにはコストのジレンマが付いて回る。木材の買値が低すぎると、収集や運搬に当たる人たちの収入が保証されない。逆に高すぎるとペレットの売値に跳ね返り、灯油より割高になると活用は広がらない。例えば灯油が一リットル八十円なら、ペレットは一キロ当たり四十円以下にする必要があるという。

 山に眠る資源を効率よく低コストで集めることは、健康な森林を維持することにもつながる。搬出道の整備なども含めた仕組みづくりは、国レベルでも考える必要があるのではなかろうか。

 もう一つの課題は需要をどう増やすかだ。市は、全二十一小学校や公民館、温泉施設「リフレッシュハウス東城」などにペレット用のストーブやボイラーを導入した。この春完成した新庁舎にも大型ボイラーを据え付けた。

 今後はビニールハウスなどの農業施設や、高齢者施設などへの普及も進めてほしい。住宅に広げる後押しにもなるはずだ。

 バイオマスは、化石燃料の代替としては限界がある。計画通りペレットを年に千トンつくったとしても、車のガソリンなど市内で使われる総エネルギーの1%にも満たない。ただ化石燃料は、いずれなくなる。たとえわずかでも、使う量を減らす試みは積極的に進める必要がある。

 庄原市の取り組みは、県内の自治体のトップを走っている。NPO法人「森のバイオマス研究会」が早くから活動を始め、それをサポートする県立広島大など知の拠点もあったからだ。そんな地域のパワーを生かしながら、共通の悩みを抱える中国山地の自治体に手本を示してほしい。

【写真説明】市の新庁舎に設置されたボイラー




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