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福山市立大 逆風下の開学に覚悟を '10/1/25

 福山市が、市立女子短大を母体にした共学の四年制大学の新設を計画している。来年春の開学を目指して、3月に設置認可を国に申請する。

 少子化で18歳人口は、20年前に比べ約4割減った。しかし四年制大学の数は1・5倍に増え、競争は激化する一方だ。広島や山口県をはじめ全国で、私立大の破綻(はたん)が相次いでいる。荒波の中に船を出す福山市には、相当の覚悟と準備が求められる。

 計画では、二つの学部を設ける。保育士や小学校・幼稚園の先生を養成する教育学部と、地域経済学やデザイン工学、社会学などを複合的に学ぶ都市経営学部で、定員は合わせて250人。

 JR福山駅の南東約2キロの予定地では、50億円をかけて校舎の建設が始まっている。

 なぜ今、市が四年制大学をつくるのか。ずっと短大のままで大丈夫か、不安があるからだ、と市は説明している。

 今のところ短大の志願者数は堅調で定員割れには陥ってない。しかし女子の進学志向は、短大から四年制に変わっている。全国では短大進学率は11%台と、ピーク時を大幅に下回った。逆に四年制は44%を超え、20年前のほぼ3倍に達している。

 全国の公立短大を見てもかつての63校が26校にまで減っている。隣の尾道市は2001年、女子がほとんどだった市立短大を四年制に改組した。

 そうした時代の流れや、短大校舎の老朽化も踏まえて、福山市が下した結論は、廃止でも存続でもなく、四年制移行だった。

 中核市として拠点性を高める上で意義があるという。高等教育が充実し、受験する側からすれば選択の幅が広がる。

 学生数は千人と、今の短大の倍になる。若者が増えれば地域に元気を与える。教授陣には、シンクタンクとして地域の課題を研究したり、社会人の教育などに活躍したりしてもらえるはずだ。期待は経済界にも強い。

 経営の観点からしても、男子にも枠を広げることで志願者は確保しやすくなりそうだ。景気の低迷は、学費の安い公立大には追い風となろう。

 ただ周辺の3大学には警戒感が広がっている。福山、福山平成の二つの私立大と、市立の尾道大だ。いずれも福山市立大と似たような学部や学科を持っている。

 「広島県東部から岡山県西部辺りの志願者の動向にかなり影響が出そうだ」「備後地域での大学間競争が激しくなる」。そんな声が出るのも無理はあるまい。

 市立大だけに学生が集中してしまう事態になれば、教育、文化を含めた地域の総合力アップにはつながらない。十分な配慮や調整が必要だ。

 それぞれの大学が個性を生かしながら連携して、地域の魅力をさらに引き出す。そんな目標を市が示し、役割分担などを積極的に働きかけるべきだろう。万全の態勢を整えておきたい。

【写真説明】建設作業が進む福山市立大の予定地





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