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沖縄密約判決 「知る権利」かみしめよ '10/4/11

 沖縄返還をめぐる密約の文書開示を求めた訴訟の判決で、東京地裁は密約文書の存在を認めた上で国に文書の全面開示を命じた。司法の立場から国民の「知る権利」に応えた点で画期的と言える。

 損害賠償の支払いも請求通りに認めた。原告側の全面勝訴である。国は厳しく受け止めるべきだろう。

 密約とされたのは米軍用地を元通りにする費用の肩代わり、米短波放送局を移す費用負担など3項目だ。日米が返還交渉をしていた1969年と71年、文書に盛り込まれた。

 判決は、3項目とも「国民に知らせないまま実施する」ことで米国と合意していたと認定。文書は歴史的な価値を持ち、極めて重要性が高いと述べている。

 「調査したが文書は存在しない」というのが国の主張だった。政権交代後に密約の解明を進めてきた外務省の有識者委員会が「広義の密約」と認められるものの、文書はなかったとした結論を受けたものだろう。

 これに対し判決では、機械的・事務的な調査で見つけられるとは考えにくいと批判。歴代事務次官など関係者の聴取も必要と述べている。文書が廃棄されて失われた場合も、それを国が立証すべきであるとした。

 密約文書の調査に当たったのは外務省職員だった。判決も指摘しているように、身内が身内を調べるようなやり方が、どこまで国民に信頼されるだろうか。

 判決が言及したもう一つのポイントが公文書管理のずさんさである。組織的な意思決定によって、文書が廃棄された可能性があるとの見方も強いからにほかなるまい。

 密約を調べた有識者委員会も、重要な文書が数多く消失していると報告書に盛り込んでいる。外務省は文書が失われた経緯などについて、新たに調査委員会を設けて究明するという。

 今回のように「ない」とされた密約文書が本当に現存していないのか。こうした点も含めて徹底した調査に取り組むことが求められる。情報管理の実務に詳しい外部の専門家などを加えることも、ぜひ検討してもらいたい。

 公文書は「国民共有の資源」と公文書管理法にうたわれている。今回の訴訟が明らかにした管理のずさんさは、国民の知る権利をないがしろにしていると言われても仕方あるまい。法の趣旨を肝に銘じるべきだ。




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