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お年寄り向けのケアハウスを核にした街づくりが注目を集めている。三原市中心部の帝人通り商店街だ。「まちなか福祉」の実践で昨年、国の「がんばる商店街」にも選ばれた。
店舗数はピークだった時の半分以下に減っていたが、新たな店もできて人通りが増えたという。空洞化に悩む商店街再生のヒントにもなりそうだ。
中心にあるのは6年前にできたケアハウス。交通弱者のお年寄りたちが、買い物などに便利がいいまちなかに暮らす。いわゆるコンパクトシティーの発想である。
単に高齢者施設ができただけなら、商店街の活性化にはつながらなかっただろう。街の一員として、ケアハウスが前面に立って進めてきた、にぎわいづくりの工夫を見落としてはなるまい。
まず市民が「集う」仕掛けだ。買い物客が気軽に休憩できるウッドデッキや、無料で利用できる地域交流スペースをケアハウスに設けた。市民にたまり場を提供し、足を運んでもらう。
イベントにも知恵を絞っている。三原市と合併した周辺町の新鮮な野菜や特産を売る朝市も、ケアハウスが中心で開く。併せて神楽など伝統文化を紹介し、毎回400〜800人が訪れるという。
近隣の商店や土地所有者との連携もポイント。施設隣の空き店舗は内科、眼科などがテナントとなった高齢者マンションに生まれ変わった。向かいの駐車場は整形外科や保育所が入るビルに。福祉や医療の拠点が相次いで整ったのも相乗効果といえるだろう。
「まちなか福祉」のきっかけは13年前、商店街のほぼ真ん中にあった郵便局が移転したことだった。約1500平方メートルの跡地の活用をどうするか。市は防災公園を計画したが、「にぎわいにつながらない」という商店街側の反対に遭った。
そこで浮上したのが高齢者施設の誘致である。市の長期総合計画の柱の一つに「福祉のまち」があり、地元も同意した。
最初から医療・福祉ゾーンにしようと計画したわけではない。ケアハウスのお年寄りが安心して暮らせるように、との発想からスタートしたようだ。
商店街に「通院」する市民も1日数百人を数える。ひと通りそろった医療機関が一帯の魅力につながっていると見ていいだろう。それも弾みになって、食品や飲食、美容院など新たな店がオープンしている。
ただ、もともとある店舗の売り上げ増にはまだ至っていない。追い風をどう生かすか。お年寄りや若い親世代を引きつけるようなアイデアも求められる。
古いアーケードを撤去したり、道路をバリアフリーにしたりするなど、側面支援に力を入れる市の役割も大きい。
市内には保健や福祉を専門とする県立広島大キャンパスがある。こうした社会資源も活用できれば、「まちなか福祉」の魅力がもっとアップするはずだ。
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