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'12/1/26

オバマ政権4年目 強硬と内向きに危うさ

 米国のオバマ大統領は就任4年目を迎えた。11月に大統領選を控え、内向きにならざるを得ないからか。当選時に掲げた国際協調路線の看板は色あせてきた。

 向こう1年の内外政策を述べた一般教書演説にも見て取れる。

 核兵器開発疑惑が深まるイランへの包囲網を強める方針を表明した。前政権の単独行動主義から対話路線に転じたが、成果はあまり挙がっていない。共和党側からの弱腰批判に対抗する面もあろう。

 失業率は下がらず、支持率は40%台と低い水準にとどまる。雇用創出を最も重視するのは、再選戦略にほかなるまい。

 海外流出した製造業の米国回帰を促す法人税引き下げ策などを打ち出した。太平洋国家であると強調したのも、アジア市場に活路を見いだすためと受け取れる。

 その具体化が、金融や通信など多様な分野に米国基準の導入を狙う環太平洋連携協定(TPP)だろう。加入しない中国に対しては、不公正な貿易慣行を調査するなどの圧力をかけるという。

 自国の利益を最優先するかのような強硬姿勢である。そんな超大国の振る舞いは、国際的な緊張の高まりを招きかねない。

 最も気掛かりなのが、軍事手段も含め「いかなる選択肢も排除しない」と述べたイラン情勢だ。原油輸送路のホルムズ海峡封鎖を警告するイランに対し、圧力をかけるしか手がない実情を明かしたともいえる。

 もう一つの特徴は、「社会的公正」の重視を演説のキーワードに位置付けたことだ。富裕層への増税による赤字削減策を打ち出す一方で、中間所得層にも公正な機会がある社会の実現を訴えた。

 富裕層への増税や医療保険制度の改革に反対してきた共和党との対立軸を鮮明にしたといえる。

 1%の富裕層を糾弾する運動が昨秋から米国内で広がった。折しも最近、共和党のロムニー候補が少額の税金しか払わず巨額の富を得ていたことが明るみに出た。

 「われわれは99%」と叫ぶ運動を追い風にとの思惑も大統領にはあるのだろう。「勤勉で規則を守る政府と金融システムがふさわしい」と述べた。ただ、格差を解消するための抜本策が演説に盛りこまれたとはいいがたい。

 産業と雇用の底上げという「一国繁栄主義」の次元にとどまっていた。欧州の財政危機にどう立ち向かうかについても明確な考え方は打ち出さなかった。

 世界中で深刻化する格差拡大の根っこには、国境の壁をすり抜けるグローバル資本主義がある。市場原理主義と投機的な金融取引の弊害是正に向け、各国と協力して取り組もうという姿勢をもっと打ち出してもらいたかった。

 就任1年目に宣言した「核兵器のない世界」をどう実現するかについては言及すらしなかった。

 衰えても世界に対する圧倒的な影響力を持つ米国。そのリーダーの政見演説としてはやや物足りなさも残る内容だった。




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