北朝鮮の核実験
'06/10/11

いつもはピンクの民族衣装なのに、おとといは茶系のジャケット姿。例によって独特の抑揚でニュースを読み上げた。朝鮮中央テレビの女性アナウンサー、リ・チュンヒさんは、日本でもすっかりおなじみだ▲北朝鮮の高位を意味する「人民放送員」で、特別な時だけ出演するらしい。プロパガンダと分かっていても、「核実験は百パーセントわれわれの知恵と技術…。朝鮮半島と周辺地域の平和と安定を守るのに寄与するであろう」と誇らしげに言われては鼻白む▲それにしても秘密のベールに包まれた国。核心部分は分からないことが多い。地下核実験の狙いは? 孤立必至なのになぜこの時期に? 規模や、実験そのものが成功かどうかも意見が分かれる。専門家のさまざまな解説も推測に基づいている▲ただ、金正日総書記が核兵器を最後の「切り札」と考えているのは間違いないようだ。イラクの旧フセイン政権崩壊を目の当たりにし、核で体制維持を目指す危険な賭けに出た、というのが常識的な見方である▲とすれば「核武装の脅し」から、「核攻撃の脅し」にエスカレートしている。一番困るのは自暴自棄になることだ。ここは国際包囲網による制裁で「瀬戸際戦術」の愚かしさを自覚させるしかないのだろう▲北朝鮮の核実験を暴挙と非難するのはたやすい。しかし、核保有国も核軍縮に取り組む姿勢が必要だ。自分たちだけ所有し、他国に持つなと押し付けるだけでは説得力がない。




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