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水の中からやってくるという幸せのご相伴にあずかろうと、正月早々、広島から浜田道を北上した。目指したのは浜田、江津両市にまたがる島根県立しまね海洋館・アクアス。人気者のシロイルカの「幸せのバブルリング」を見る▲イルカが水中ショーで演じる曲芸の一つ。飲み込んだ空気を口をすぼめて吐き出すと、時に泡状の丸い輪ができる。一昨年の夏、遊び好きのイルカの行動を観察していてひらめいた飼育員が、観客に披露することを考案。半年がかりで仕込んで「幸せのバブルリング」と名付け公開した▲オバケのQ太郎を思わせるあどけない口元から広がる「幸せの輪」を見ていると、理屈抜きで心が和む。「チーチー」「キューキュー」。水中マイクを通し、海のカナリアと呼ばれる美声も聞かせてくれる▲このリング、見学に訪れる人だけでなく、館内で働く職員たちにも幸せを届けている。「最大の効用は、訓練の過程でみんなの心がつながっていったことでしょうか」と展示課長の大辻功さん(46)。飼育員の相互理解が深まるにつれ、イルカの調教も軌道に乗った▲アクアスは開館した二〇〇〇年度の百三十五万人を最高に、入場者が減少。一昨年度から四十万人を割っていた。バブルリング効果が見込める本年度は、再び四十万人の水準を回復できそうだ▲二十分のショーの大詰め。満員の客席に歓声と笑顔が広がる。水の中のイルカも笑っているように見えた。仕事始めに向かう元気をもらった。
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