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原爆詩集の英訳本 '08/1/11

「ラジオ、テレビ、な〜んでもナショ〜ナ〜ル」。昭和三十年代から、そんなCMソングがあった。約八十年使われた、その名が消えるという▲松下電器産業が、社名を「パナソニック」に変え、同時にブランド名も統一することになったからだ。世界的な規模で競争は激しくなる一方。海外市場にアピールするには「あまねく」と「音」を意味するパナソニックの方が企業イメージを伝えやすいと考えたのだろう▲経済の世界ばかりではない。「ギブバック アワー ファザーズ、ギブバック アワー マザーズ」。暮れに刊行された「原爆詩一八一人集」の英語版(コールサック社刊)。冒頭にある峠三吉の「ちちをかえせ ははをかえせ」の詩の一節である▲これまで原民喜の小説の訳などはあるものの、原爆詩はあまり試みられていない。中心になって翻訳した郡山直(なおし)さん=神奈川県在住=は「百八十一人もの原爆詩を英訳した本格的選集は初めて」という▲主語を省いた表現など日本語の詩は独特。どう訳すか推敲(すいこう)を重ねた。福山市の詩人大山真善美(ますみ)さんは「翻訳に参加して、被爆者の思いに突き動かされるようだった」と振り返る。中国新聞社でも、日英両語で発信するウェブサイト「ヒロシマ平和メディアセンター」を新年に開設したばかりだ▲核保有国の人らにも、廃絶への思いを伝えるための手だてである。詩の底にある言葉の力が、地球規模で響き合う日がくると信じたい。




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