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街中にあるスーパーの休憩スペースで、弁当や飲み物を買って、語らいのときを過ごすお年寄りの姿を見かける。かつて病院や診療所の待合室が、そうだったように▲お金をかけずに過ごせる場所が、街にだんだんなくなってきた。広島市では七月から、公民館もカラオケや囲碁といった趣味で部屋などを使う場合には、料金がかかるようになる▲十年以上前、山形県の最上町を訪ねたことがある。町の中心に、お年寄りのための総合福祉施設を設けていたのに驚いた。まだ余裕があるころとはいえ、町で何を一番大切にしているか、一目で分かった。すぐ近くで温泉を掘り当てたのは「孝行」へのごほうびにも見えた▲長い年月生きれば体の不調で、医療費がかかるのは当然だ。岩手県の旧沢内村は一九六〇年、全国で初めて老人医療費を無料化。国もその十三年後に踏み切る。七十歳になれば無料と思っていたら、いつの間にか窓口で一〜二割負担に。国の仕組みはその後随分変わった▲医療費の削減が「改革」のテーマにもなった。入院も短い期間しかいられない。行き場のない「社会的入院」をなくす名目だ。さらに新医療制度では七十五歳以上を、もっとお金を出してもらう別の「居場所」に追い立てる。薄情と言われても仕方あるまい。
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