中国新聞
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2003/07/22
  特集 (イラク) 

 世界の核情勢 予断許さず ■■
小型化・対テロ使用…
 

米露など
抑止力から「実用」へ 見えぬ廃絶の動き

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モスクワ・クレムリンで戦略攻撃兵器削減条約に調印し、握手の手を差し伸べるブッシュ米大統領(右)とプーチン・ロシア大統領=2002年5月24日(AP=共同)

 二〇〇〇年五月、国連であった核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、核兵器廃絶の「明確な約束」を含む最終文書を採択して閉幕した。しかし、その後の世界情勢は、核保有国を交えた全会一致の「約束」をほごにするかのようだ。

 例えば〇一年九月に米中枢同時テロを受けたブッシュ米政権は、翌〇二年一月、核体制見直し(NPR)を公表した。後に暴露された未公開部分には「核兵器は米国、同盟国、友好国の防衛能力において決定的な役割を演じる」とし、将来にわたって廃絶の意思がないことを明言している。

 さらに米国は、核に「抑止力」以上の役割を与えようとしている。〇二年八月、米国防総省が公表した国防報告は、大量破壊兵器などの行使を目指す敵に対し、核兵器を含む先制攻撃も辞さない方針を明記した。

 今年三月に始まったイラク戦争で、米軍は「放射能兵器」と呼ばれる劣化ウラン弾を使った。米エネルギー省は四月、核兵器の起爆装置として使うプルトニム・ピット(塊)を十四年ぶりに製造した。

 さらに五月、それまで五キロトン以下の小型核兵器の研究・開発を禁じていた「ファース・スプラット条項」の廃止を米上院が可決。研究段階を超えて開発作業に入るには議会承認が必要などと一部修正はしたものの、五キロトンは「小型」とはいえ、広島原爆の三分の一に相当する威力である。下院もほぼ同様の内容を可決した。

 同時に上下両院が可決した国防歳出権限法案は、「強力地中貫通型核兵器」の研究着手の予算も含む。イラク戦争でも使われたバンカーバスター(特殊貫通弾)に核弾頭を搭載する構想だ。

 こうした「小型核」開発のため米政権は、一九九二年以来中止している地下核実験の再開もにらんでいる、とされる。

 一方、この間の〇二年五月、米ロは双方の戦略核弾頭を一二年までに現在の三分の一程度の千七百―二千二百個に減らす戦略攻撃兵器削減条約(モスクワ条約)に調印。今年六月の批准書交換により発効した。

 しかし、削減した弾頭の廃棄は義務付けず、将来の再配備の余地を残しているため「欠陥条約」との指摘は根強い。財政難のロシアにしても、維持コストが大きい戦略核よりも小型の戦術核に自国の安全保障を委ねる傾向もある。

 このほか英国、フランス、中国も、核兵器廃絶への動きは、まだ見えない。れていた。 


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