破れた夢「残念」「やはり」
市民・選手ら 思い交錯
利用法見直し 求める声も
新たな広島東洋カープの本拠地を広島市南区の東広島駅貨物ヤード跡地に整備する構想が一日、白紙撤回された。「期待していたのに残念だ」「計画に無理があったのでは」―。市民や商店街には構想の結末を悔やむ声と、冷静な受け止めが交錯した。「新球場でプレーするのが夢だった」。カープの選手には、失望の表情もにじんだ。

複合型オープン球場の事業化が白紙に戻った東広島駅貨物ヤード跡地(広島市南区)
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◆市民
「期待していただけに、切り捨てられたみたいで悲しい」。新球場を楽しみにしていた中区舟入中町、主婦味岡厚子さん(59)は残念がる。「駅前や商店街が寂れる中、立ち止まっている暇はない。政財界に頑張ってもらいたい。市民も募金などで支える必要がある」と別の形での計画推進を訴える。
安芸区上瀬野、健康訪問指導員の岡之下サエ子さん(63)も「広島駅周辺の復活の目玉だったので残念。中止は、社会全体が暗くなる感じです」と寂しがる。跡地利用について「財政状況は悪くても、あのままにしておくのはもったいない。生涯学習の場などにしたら」と提起する。
一方、安佐南区祇園の大学四年藤井守さん(21)は「今の市民球場は都心にあり、勤め帰りでも気軽に通える。選手と観客が近い距離でいられる全国的にも珍しい球場」と現球場のメリットを強調。「ヤード跡地は、倉敷市のチボリ公園のようなリラックスできる施設がいい」と主張する。
西区己斐本町、診療放射線技師外川雅士さん(26)は計画中止を、「広大な土地の活用法をもう一度じっくり考え直す好機」ととらえる。「球場は市民球場で十分。跡地は遊ばせておくくらいなら、すぐにでも芝生を張って家族連れで楽しめる公園にしたらどうか」との利用策を描く。
◆商店街
「これまで待ってきたが、期待が半分裏切られたような形だ」と、南区松原町の愛友市場の中村興夫会長(63)。「意気消沈せず今後も行政と力を合わせて頑張っていこうと、商店街のメンバーに呼び掛けている」と自ら気を取り直した。
中区の広島本通商店街振興組合の望月利昭理事長(61)は「今回の計画はもともと無理があった。今でもオーバーストアの状態なのに、需要がどこにあるというのか。この発表は当然の結果だと受け止めている」と語る。
◆カープ選手
「新球場を待ち望んできたし、そこでプレーしたいと頑張っている」。野村謙二郎選手(37)は、落胆を隠せない。「ばく大なお金がかかるし、難しい問題ではあると思うけれど、何とか早く前進してもらいたい。ファンや市民も新球場を心待ちにしていると思う」。新球場に夢をつないだ。
一方、栗原健太選手(21)は「関心を持っていたが、無理みたいだったので驚きはない」とクールな受け止め。「新球場が無理なら現球場の改善を進めてほしい。僕らはファンに喜んでもらえるよう練習するだけです」と来季をにらんだ。
(03.12.2)
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