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校長の田島亮一(55)の脳裏には今も、その長髪の男性の第一印象が強烈に焼き付いている。昨年四月のことである。肩まで伸びた髪を、べっとりムースで固め、にこにこしながら、さっそうと現れた。一年三組の担任藤田大介(26)。現在、教師二年目だ。
藤田は、どんなに暑くても、ほかの先生がジャージー姿だろうと、ネクタイ姿にこだわる。「子どもには制服を強いている以上、当然かなと思うんです」
一年先輩に、二人の女性教師がいる。足立亜衣(27)と村上直美(27)。学校への赴任が決まって、二人は、高校の同級生だと初めて知った。
喜怒哀楽が顔に出やすい足立は、自分のクラスとほかのクラスでは、表情が一変する。生活指導に注意をとられ、授業に集中できないらしい。「いいかげんに、しんさいや」。注意のたびに、みけんのしわも深くなる。そんな時、子どもたちからは「そんな顔したら化粧が崩れちゃうよ」。
「久しぶりに会った友達から、『亜衣は最近笑わなくなったね』と、言われちゃって」。夏休みが終わるころ、足立の体重はようやく元に戻った。
足立のことを「最大のライバル」と語る村上は、この夏休み、結婚式を挙げた。あいさつに立った田島は「教室の掲示物はいつもきちんと張ってある」と褒めた。学生時代、阪神大震災のボランティアに出かけたことも紹介した。
そんな村上も、採用一年目、「学校に行くのが、いやじゃ、いやじゃ」と愚痴をこぼし続けた。「どうやら、教師間の人間関係で悩んでいたようです」。新郎の政人がこっそり教えてくれた。
先日、中国新聞社が行った若手教師アンケート。「どこが評価され、採用されたと思いますか」―。「いわゆる教師らしくなかったところかな」と藤田は答えた。足立は「面接は楽しかった」。村上も「情熱が伝わったのかしら」。三人の教師生活は始まったばかりだ。
(文中仮名。写真と本文は関係ありません)
<教師アンケートの回答から>
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最もつらかったのは?今まで大きな声で人を怒ったことがなかったので、1年目は子どもを怒れず、授業が思うようにできなかった。(26歳 小学・女)▽午後9時すぎに、疲れて帰宅すると、家族から「仕事と心中するのか」「生活はぼろぼろだ」など追い打ちをかけるように言われた。言い合いをして泣いたこともあった。(24歳 中学・女)
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