| ある中学校の現場から |
がむしゃらさ 周り刺激 |
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「技術」の坂井君は、初日のホームルームから子どもたちに溶け込もうと必死だった。「名前を早く覚えたいので、みんな目立った行動を取ってね」。そんな発言も飛び出した。 授業は、木材を使った新聞ラックづくりを任された。「見本」を作ろうとしたが、大学の研究室に持ち帰り、徹夜になった。 「とにかく理想は高くもってもらいたいですね」。坂井君の指導教官になった一年五組の三好鉄矢(29)は、こう語る。座学よりはモノづくりを大切にする授業を目指している。 大学時代、三好はある研究をした。「技術における男女差」。一年間、学校に入りこみ、授業中の子どもたちの行動を、男女間で比較した。のこぎりの使い方、教室内の歩き方…。差はほとんどなかった。
坂井君は、夏休み中にあった教員採用試験に落ちてしまった。「先生をずっと目指すべきかどうか」。教育実習まで迷っていた。でも、三好の授業を見ながら決意は固まった。「やはり、先生しかない」 一方、教員五年目の三好にとっても、がむしゃらの坂井君の姿は初心に戻るきっかけにもなったという。
(文中仮名。写真と本文は関係ありません)
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