| ある中学校の現場から |
欠席告げる電話に応対 |
![]() (16) |
|---|
こんな早朝だが、ここは小林の自宅近くではない。ラジオの横には、さっきまで締めていたネクタイとシャツが置かれている。自宅から十五キロ近く離れた、小林の勤務校のグラウンドなのだ。 ラジオ体操を終えた小林は、校内の窓を次々に開けていく。一服しようと、職員室の自分の席に着いた。「風邪気味なので休ませてください」「お腹の調子が悪いので…」。欠席を伝える電話がひっきりなしにかかってきた。「きょうは欠席者が多いね」。小林の表情も曇りがちになった。 教頭の仕事は雑多である。校内の掃除をしていたかと思うと、職員会議や教育委員会に提出する文案を作ったり…。校長の田島亮一(55)と教員との橋渡しも重要な仕事。だが、小林にとって一番の楽しみは、受け持っている一年生の書道の時間。教師の原点は子どもたちとの触れ合いと考えているからだ。
一学期の終わり。一日の仕事を終えた小林が、学校を後にしたのは午後十時を回っていた。帰り際、小林は一つの考えを巡らせた。毎朝の電話の取り次ぎから始まった、ある計画である。
(文中仮名。写真と本文は関係ありません)
|

