'99. 9.19
 ある中学校の現場から

 気になる不登校 

登山で自信つかんで


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 電話の取次ぎから始まった、教頭の小林守(55)のある計画とは―。

 その三年生の母親は毎朝、「休ませてください」としか言わなかった。「そうですか」。深入りを避け、担任に事実だけを伝えていた小林は、その子が塾には通えることを知った。

 「先生と一緒に山に登ってみないか」。小林の申し出に渋っていた彼も、別のクラスの友達と一緒ならと、鳥取県の大山登山を決意した。

 小林は教員になって山登りを始めた。悶々(もんもん)としていた若手時代、先輩に誘われたのがきっかけだった。北海道から九州までのほとんどの山を制覇した。自分がつかんだ自信を、彼にもつかんでほしいと思っている。

 不登校の問題は、生徒指導の中でも一番難しいと言われる。同校でも常時十二、三人の子どもたちが門をくぐれないでいる。ニ年目の藤田大介(26)も、頭を抱える。一ヶ月に二、三回は自宅に出向いているが、本人にはまだ、一度も会えないでいる。「せめて顔を見たい。そして話をしたい」。藤田はそう語った。

登場人物
 学級までは登校できなくても、学校には行ける―。そんな子どもたちのための場所も用意されている。教育相談室。ゆったりしたスペースには、円形に変化する机もある。すぐ側には、気軽に横になれる畳の部屋。そこで学ぶ、五人の子どもたちは、自分たちでカリキュラムを作り、無理のない学習を心がけている。

 先日出されたPTA新聞。「不登校児よ、ケセラ・セラ。そんなに片意地はらずに…」。母親たちのそんな独白も並ぶ。その中で、小林は述べている。「思春期特有の心の問題を、学校、家庭が連係して取り組んで行きたい」と。

(文中仮名。写真と本文は関係ありません)

<教師アンケートの回答から>
 同じ学年で学級崩壊が起きたら? 学年主任としてできる限り援助をしたいが、担任が代われない限りどうしようもない。学級のことはすべて担任1人でやるシステムになっている。問題を一人で抱え込むのは、小学校の教師の宿命だと思う。(55歳 小学・女)


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