| ある中学校の現場から |
成長願う思いを託して |
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通信のキャリアは長い。教師になって二年目、先輩をまねた。名前は「がんばる」。子どもたちの考えを入れながら、いかにやる気を起こさせるか―。ガリ版刷りだったが、休日を除き毎日出した。親子の共通の話題づくりの手助けになれば、そんな思いでいっぱいだった。 今の学校には十一年前に赴任した。荒れていた。だから、できることは何でもした。子どもたちの様子を伝えようとした。自分のクラスを教える同僚たちから、子どもの授業風景を聞き出し、逐一通信に載せたりもした。 通信の名前も変えたことがある。荒れこそ治まっていたが、不登校児が急増した。「がんばる」だけでは、だめなんだ。クラスの「すくらむ」が大事なんだ。そう思ったからだ。 担任を離れた今年、学級通信は学年通信に変わった。一学期だけで、六十一号に。夏休み中も全員に通信を出した。「二学期に向けてレッツゴー」「始業式には元気に登校してね」。はがきに印刷した。
四組の足立亜衣(27)。一学期に一度も通信を出せなかったけど、気にすることはない、と岸本は言う。 たかが学級通信、されど学級通信。教師生活二十四年の岸本が、これまでに発行した通信は、四千百二十五号に上る。
(文中仮名。写真と本文は関係ありません)
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