「学級崩壊」で県教委が実態調査/中国5県
子どもたちが授業中に立ち歩いたりする「学級崩壊」が全国的に問題となる中で、中国地方の各県教委が実態調査に乗り出した。しかし、「学級崩壊」の定義づけが難しく、調査方法も模索の段階で、本格的な対策を打ち出すには、まだ時間がかかりそうだ。
●難しい定義
調査では、各県とも「学級崩壊」の言葉は使わなかった。「授業が成立しなくなる状況がある」との認識を踏まえ、島根は「集団的に、一定期間継続して、学級がうまく機能しなくなる状態」としている。山口は「クラスの大部分の子どもが授業に意図的に参加しなくなるのが特徴」とし、「担任が全ての教科を教える小学校の独特の現象」と限定する。広島には昨年度、現場から「学級崩壊」の報告が数件寄せられた。「教育の新たな課題」と危機感を募らせる。
●相次ぎ調査
中国地方では、山口がまず五月に調査した。公立小学校を対象に、五十六市町村の教育委員会に調査票を送った。授業中に子どもが立ち歩いたり、集団で教室外に出て「授業が成立しない状況」があったのは六校六学級(昨年度)。全公立学校の一・六三%だっ た。
広島は八月に調査を実施し、現在分析中。小、中学校を対象に、期間は一九九九(平成十一)年度の一学期とした。「トイレや保健室に集団で行こうとする」「大声で泣く、暴れる、暴力を振るう」 などの行動が続いた期間と、解決への取り組みを聞いた。
島根、鳥取は小学校に限定し、八月から九月にかけて調査した。島根では、該当する事例は一件もなかった。鳥取は、学級担任が回答したが、「状況が見られたのはわずか」。
岡山は全県的な調査はこれから。岡山市など数市教委に電話で聞き取った結果では、「数件あった」という。しかし、「本格的な調査は定義を決めてから」と、時期や方法については未定だ。
●見直し検討
現段階では、各県とも新しい施策は打ち出していない。山口県は八月末、合同授業の推進などを盛り込んだ通知文を、全小学校に送った。教科担当の教師による授業を増やすなどして、できるだけ多くの教師がクラスにかかわるよう、教育体制の見直しも今後考える。
広島は本年度中に対策をまとめる。島根、鳥取は、「全国的に言われているのと比べると、そこまで深刻とは考えてない」と口をそろえ、今後の状況次第で特別な対策も考える。
■6件は氷山の一角
山口県教組の山本祐三書記長 六件は、氷山の一角にすぎない。教師の指導力不足と非難されるのを恐れ、報告しにくいからだ。三十人学級にするなど、教師が子どもの声を聞ける状況を作る、早急な対応が必要だ。
■判断基準を明確に
教育評論家の尾木直樹さん(52)の話 私の調査では一校に一学級の割合で発生している。調査項目を「教師が三回注意しても聞かない」など、判断基準を明確にしないと実態はつかめない。対策は、教師数を増やしたり、地域の人、保護者に授業を手伝ってもらい、 生徒を見る目を増やすことだ。
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