| '99.10.19 |
| 学級崩壊の現場から |
―《4》―
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担任の「叫び」空回り |
四月から、担任横田由美(42)は、学級で頻発する「靴隠し」に悩んでいた。だれかの靴が、片方だけ木の枝にひっかけてあったり、校門の外に落ちていたり…。「放っておけばいじめにつながる」。横田は、靴隠し根絶に力を尽くした。 授業を中断し、クラス全員で靴を探した。昼休みも返上。捜索は放課後も見つかるまで続く。そして原因をつかむために、横田は一人ずつから話を聞いた。「今日のことは今日解決したい。明日に持ち越せば、子供たちが苦しむだけ」。けんかが起きても必ず横田は、だれがけんかの原因をつくったのかを問い掛け、その日の解決に努めた。 やがて靴隠しは終息した。だが一方で、子供は横田に距離を置き始めた。「説教がぶち長い。事情聴取みたい」「まるで犯人探し」「けんかしても弱いやつの肩を持つ。ひいきじゃ!」。指導すればするほど、子供の不満は募る。「ボタンの掛け違え」が続く。 おとなしい子を相手に授業を進めた結果、ほかの子は「先生はぼくらを徹底的に無視した」と主張した。人間関係が崩れ、だれもが思い思いの場所に席を構えた。教室に入るのを渋る子。無秩序な教室になじめず、暴れ出す子…。授業中も雑誌や塾の問題集が広げられた。「前を向いて!」。横田の叫びだけが響いた。 九月。運動会の練習中も集団を抜け出す五年一組を見て、平尾は横田に言った。「子供らが不安定になっとるね。お説教ばかりに時間を割かんと、授業をこなして生活にリズムを作らんと」。すると横田はこう言った。「みんな、日々成長しています。いい子になっています。信じてください」 (文中仮名。写真と本文は関係ありません)
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