| '99.10.22 |
| 学級崩壊の現場から |
―《7》―
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褒め、配り、通う心 |
突然の電話の理由は、赴任後、すぐ明らかになった。結束できない男の子たち、大人への不信感いっぱいの女の子たち…。遠ざかっていた「学級通信」に、子どもたちとのつながりを託すことにした。「学級通信」が命綱のように思えたからだ。 まずは褒めた。「徹君はかっこいい。率先して動いてくれる」「勇介君は、本当にやさしいね。下級生の面倒をみてくれる」。ささいなことでも、出きるだけ名前を挙げた。気になる子は多く載せた。ネーミングは「感動シリーズ」とした。 子どもたちの作文は、できるだけ採用した。「六年生になって」「日記から」。テーマは何でもよかった。もちろん、大中自身のことも積極的に書いた。妻のこと、猫の出産のこと、逆子で生まれた息子のこと…。ためらいはなかった。 最初はなかなか読んでもらえなかった。配るとすぐに紙飛行機になった。授業時間を十五分だけつぶして、読み合わせに充てた。でも、横目だったが、子どもたちが内容を気にするようになった。 職員室の同僚だけでなく、調理員さん、庶務員さんにも配った。六年一組の情報をみんなに共有してもらいたいと思ったからだ。 うれしい反応があった。五年生の時、一番悩んでいた徹の母の和子が、感想を寄せてくれた。「先生も何かとお忙しいでしょうが、次号を楽しみにしております」 学級通信の名前も、クラスの子どもや保護者たちに考えてもらった。ある家族は、父が「トライアングル」、母は「トゥモロー」、本人は「ドリーム」を候補とした。「フレンズ」と命名した。友達を大切にしてほしい、との思いを込めた。 (文中仮名。写真と本文は関係ありません)
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