| '99.10.28 |
| 学級崩壊の現場から |
―《12》―
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話し合い互いに理解 |
九月。子どもたちは落ちついてきた。友達が近づいただけで、「いや」と敬遠するような、むき出しのいじめはなくなった。でも、「仲間に入れてえや」と言うと、担任の大中和一(44)の前でこそ「いいよ」と言うけど、陰では仲間はずれが続いていた。 気の強い実加。クラスメートからはじかれる彼女に、大中は一つの提案をした。「みんなと分かり合えないのはつらいじゃろ。学級会で投げかけてみようと思うんじゃけど」。今のタイミングなら大丈夫、と判断した。ただ、不安もあった。一歩間違うと、実加が登校拒否に陥ることもある。友達との亀裂が深まる危険性はもっと高いからだ。 ある女子が口火を切った。「三年生まで実加ちゃんも、友達をのけものにしていた。自分だけが被害者と言えるん?」。今度は男子が口を挟む。「実加がした昔のことを、今ここで出すのは、ずるいぞ」。実加も、泣きながら訴えた。「ずっと仲間に入れてもらえなかった。いつも気兼ねしていた。私も悪いところがあるけど、仲良くしてほしい」 子どもたちには、五年の時のトラウマがあった。担任の横田由実(42)が、授業中に暴れる弘志についてクラスで作文を書かせた。もちろん、横田からすれば、弘志自身に自分の欠点を見つめてもらいたかったのだろう。 でも、ある保護者は言う。「結局は、弘志君の悪口をみんなで書いただけ。集団リンチのようなもの」。懐疑の念を持った徹は、いつもの弘志の行いを書いた後、こう締めくくった。「でも、そういう弘志君のことが、ぼくは大好きです」 それだけに、学級会での実加に対する子どもたちの実践は、うれしかった。だから、念押しの意味を込めてもう一度、学級通信「フレンズ」で、訴えた。ふざけ半分で、友達に痛い思いや悲しい思いをさせるな―。いつもよりは、一回り大きな文字を使って。
(文中仮名、写真は本文と関係ありません)
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