'99.11.8 
教育再生へ 

私の処方せん 教育再生へ
―《2》 
   「教師はサービスの質を高める必要がある」と、力説するのは、名古屋市の小学教諭岡崎勝さん(48)。小学生と親を集めて、教師仲間と「おもしろ学校ごっこ」を主宰する一方、保護者、教師、子どもたちが学校生活について語り合う学校マガジン「おそい・はやい・ひくい・たかい」の編集人も務める。
 「学校マガジン」編集人   岡崎勝さん(48) 

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授業楽しまなくちゃ

 まず教師が面白がろう

 「ボクは、サラリーマン教師を目指している」。そう言うと、保護者からは、必ず変な目で見られる。「サラリーマンのご主人は、自分の仕事に誇りや自信を持っていないの」と言い返すと、大抵の保護者は黙り込んでしまう。給料をもらう以上、サラリーマンと同じように、ちゃんとモノを作り、きちんとサービスをするのは当然だと思う。

 そのためには、楽しい授業を心がけなくてはならないが、これは簡単なようでとっても難しい。近ごろの子どもは、目も口も肥えているし、教師はどんな子どもの面倒もみなくてはいけないから。

 相手見ながら接する

 まずは、教師自身が、面白がることが大切。自分が小さい時、何が好きだったか、思い出してみる。「ウルトラマン」には、けっこうエコロジーの発想が入っている。どうして変身は三分しか持たないのか―。そんな疑問を持って原作を読むと、「大気汚染に耐えかねて」との説明があったりする。

 雪が校庭に積もったことがある。名古屋では珍しいので、一日中、子どもたちを雪で遊ばせた。一、二時間目は雪合戦。三、四時間目は雪の絵を描かせたり、雪の詩を書かせたり…。午後からは雪の結晶を見せる。着替えを持って来ていない子どもには、「こんな日に、先生が、雪遊びをさせないと思ったの?」と言った。

 そう言う意味で、行き当たりばったりは大切だと思う。表現を変えれば、相手の顔色とか気分を見ながら、色々なことを判断する、教師と子どもの関係を柔軟に考える。教師は、なだめ、すかし、褒め、子どもは、いじけたり、反発したりしながら、互いに成長するものだ。

 学級崩壊 無理するな

 実は、ボクも教師になって、五年目までは、熱血教師だった。でも、押しつけてばかりではだめ。一生懸命になればなるほど、子どもたちが離れていった。

 子どもたちが静かにしないと、教師はしゃべらない、という指導方法もある。だが、教師は常に訴えるべきと思う。全員が聞かなくてもいい。関心のない子どもは、後から友達に聞けばいい。「一分間は待つけど」と宣言してからしゃべる方法もいい。

 本当は、教師による過剰なサービスはなくなればいい。今の時代はマニュアルが多すぎる。子どもは失敗を避ける傾向にあるし、マニュアルは、ある意味で責任転嫁にもつながる。

 学級崩壊になったらどうする、とよく聞かれるが、まずはそんな状態にしないことだ。崩壊したら、休むのがいい。そして集団指導体制を取る。無理をして、教師や子どもたちが、ぐちゃぐちゃになるよりはずっといい。

 大学時代の恩師から、こう言われたことがある。「教育とは、とにかく『今日、(目的に向かって)行くことだ』」。つまり、今の充実が大切ということ。

 最終的には、子どもたちが、教師を見切って卒業する。これがボクの考えている理想の教育かな。



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