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再編と向き合う
<8>総選挙へ  是非問う最大の岐路 '08/6/24

 ▽争点化 議論は見えず

 岩国基地(岩国市)そばのグラウンドで一日、連合山口が開いた集会。衆院山口2区補選を制した民主党の平岡秀夫議員(54)がマイクを握った。「目前に迫った艦載機の受け入れだけではなく、それから先の問題についても今、政府と対峙(たいじ)しなければ解決はしない」

 自民候補に大差

 福田康夫首相の政権運営が問われた四月の補選。市長に転じた福田良彦前議員の辞職に伴う選挙で、平岡氏は自民候補に二万票余り差をつけた。後期高齢者医療制度が最大の争点。基地問題はかすんだが、移転反対派の支持の多くを集め、与党敗北の一因となった。

 民主党は政権公約として艦載機移転中止を掲げているわけではない。移転を望む厚木基地(神奈川県)周辺の有権者の思いもあるからだ。ただ、平岡氏は来る総選挙を意識し、米軍再編を進める国の「アメとムチ」政策へ批判を強めている。

 二十一日、波乱の通常国会は閉幕した。遠のいたとされる総選挙だが、来年九月までには実施される。その結果が再編に影響を与えることはあり得る。

 現に再編問題で今、政府・与党は思わぬ逆風を受けつつある。八日の沖縄県議選でも与党が過半数割れし、普天間基地の県内移転反対が多数となった。ここでも「後期高齢者」が大きく響いた。

 ある政府高官は「岩国市長選の結果をてこに普天間も進展させたいと思ったが、うまくいっていない。米国はいらだちを募らせている」と明かす。与党への支持の弱まりは再編の推進力の低下にもつながる。こうした中で各党の姿勢が、あらためて問われてくる。

 自民党と公明党は日米同盟安定のため着実に再編を実行する考えだ。公明党の山口那津男・政調会長代理は「日米安保の中期的な流れ、特に東アジアの変化を見ると、やはり再編は必要だ」と与党の立場を説明する。

 一方、民主党の浅尾慶一郎「次の内閣」防衛相は「国の乱暴なやり方は批判されるべきだ」としつつも、「日本の安全保障の利益に合致する限り、再編自体に反対するわけではない」との見解だ。

 民主党内は安全保障で足並みがそろわず、対立軸は示せていない。基地の地元以外の地域の関心が再編に向けられているともいえず、総選挙の争点にはなりにくい―。その見方は与党、最大野党とも共通している。

 これに対し、沖縄を地元とする共産党の赤嶺政賢衆院議員は「再編は日本の平和と安全ではなく米国の海外での戦争のため」。社民党の辻元清美政審会長代理は「軍事への予算配分をどうするかという点で国民生活に密接にかかわる問題」。両党は再編への反対を争点に掲げる方針だ。

 国民新党の亀井久興幹事長も「国益を考えた積極的な議論を各党がすべきだ」と主張し、日米安保の問題を公約に盛り込むという。

 こうした少数政党の意見は、与野党伯仲の情勢なら影響力を持つ局面もあり得る。

 日米安保の重み

 郵政民営化を争点にした総選挙で与党が圧勝したのは二〇〇五年九月。翌月、国は地域の声を聞かずに再編計画を示し、「イワクニ」は日米安保の重みに直面してきた。市が協力に転じても、国策と住民の不安のはざまで地域はなお揺れている。

 来る「政権選択選挙」で再編はどう議論されるのか―。それはまだ見えてこない。その中で賛成であれ、反対であれ、地域から国政に思いを届ける日は近づいている。

 ※「再編と向き合う」は岩崎誠、金崎由美、田中美千子、川井直哉、広田恭祥が担当しました。連載「迫る爆音」は、これで終わります。

【写真説明】山口2区補選の応援で岩国市入りし、街頭演説する福田首相。来る総選挙では米軍再編への姿勢も問われる(4月20日)




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