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【特集】再編と向き合う
NLPの行方 施設選定へ近づく期限 '08/6/16


 ▽民間空港活用、選択肢に浮上

 夜間離着陸訓練(NLP)はどこで―。岩国基地への空母艦載機移転に絡み、米国側が最も注目する問題だ。世界に展開する空母戦略を支える訓練施設。米軍再編計画で示された選定目標の二〇〇九年七月まで、あと一年余り。日米の実務担当者が調整を続けるが、今のところ見通しは立っていない。

 ▽「日常的訓練も」

 「特定の場所を検討している段階ではない」と政府関係者は口をそろえる。空母出港前の夜間、艦載機が集中的な激しい騒音を発生させる離着陸訓練。一九八〇年代から政治問題化してきた訓練の行方だけに、個別の地名の情報が流れることには敏感になっている。

 米国が求めているのは岩国基地から百八十キロ以内の専用施設だ。既に、水面下では具体的な場所は挙がっている。

 「誘致したいと言ってきているところが、いくつかある」。外務省日米地位協定室は明かす。補助金などを出す枠組みは決まってはいないが、地方財政が疲弊する中、負担の見返りへの期待は強い。

 ただ、訓練場所の形態すらまだ確定していない。米軍がどのように使うのか、条件をヒアリングしながらそれに合う候補地を個別に検討している段階だ。

 厚木基地(神奈川県)での騒音苦情の急増を受け、国が用意した硫黄島(東京都)の暫定訓練施設。現状ではNLPや関連訓練だけに使うにとどまる。米軍側は新たな施設について、もっと日常的な訓練の拠点としても使えるよう、日本に求めてきているとみられる。もし米国の要望に応じれば、候補地選びをさらに難しくする。

 実は、選択肢の一つとして赤字の民間空港の活用がある。赤字補てんや定期便の存続を条件に、短期間だけNLPを引き受けてもらう―。ところが、日常的な訓練となると定期便との兼ね合いで使用は難しくなる。

 ▽馬毛島 宙に浮く

 巨額の費用を要する専用滑走路の確保も、艦載機が移転する二〇一四年という期限があるだけに容易ではない。昨年末、鹿児島・種子島沖の馬毛島の所有者から誘致の正式表明があった。日本政府も候補地として位置付けたものの、地元自治体が反対姿勢を明確にしたため事実上、宙に浮いたままだ。

 艦載機移転は、もともと厚木基地の騒音対策という日本側の事情だ。それに対し、部隊移転によるデメリットを補って余りある米側のメリットがある。それは硫黄島のような遠隔地ではなく、拠点基地の近くでNLPを実施することだ。米軍の認識では、艦載機移転とNLP選定はあくまで「セット」となる。

 政府は「岩国での実施はない」と繰り返す。ただ、米軍にとっては岩国基地で実施するのが最も利便性がいい。日本政府がもし専用施設の確保という日米合意を守ることができなければ…。米軍再編で国に不信感を抱く住民からは、岩国基地の活用という最悪のシナリオを懸念する声は消えていない。

【写真説明】空母の甲板で発着艦訓練を繰り返す艦載機。岩国移転を前に、NLPや空域など訓練環境の準備が大きな懸案になっている(撮影・坂田一浩)




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