京都の西陣織は高級織物で知られる。安佐北区可部地域にも素朴な高級品、山まゆ織があった。明治、大正の最盛期には全国に販路を持った。 ヤママユは羽を開くと一五センチにもなるガ。幼虫がつくる繭から糸が取れる。農家の女性が副業で織った一大産業も昭和初期には衰退した。
一九九八年、可部町商工会に「山まゆ同好会」が発足した。可部東で手作り手芸の店を開く竹本春美さん(55)もメンバーの一人。自作の道具で繭から糸を手紡ぎする。ストールも試作した。 島根県の実家は養蚕をしていた。織物には縁があったが、「可部に住んだから山まゆに出合えました」と竹本さん。 同好会は「山まゆの里」を目指し飼料樹のカシ、ナラ、クヌギを学校などに植えてヤママユを増やす活動を続けている。