京都市の西陣辺りの間口が狭く奥行きのある町家は「うなぎの寝床」といわれる。通り庭と呼ばれる裏側に抜けられる細長い土間もある。 安佐北区可部の旧雲石街道沿いにあるしょうゆ醸造場。商家なので土間は広いが、裏側まで続くところは京都の町家と同じだ。土間の向こう、外側には右に台所があった。左には中庭、廊下、ふろ、蔵が連なる。醸造場は後方にある。
1869年に壁を塗り替えた記録が残る。「建物はそれより50年位前の建築では」と店主の中川義和さん(55)。間口に違いはあっても旧街道沿いの古い町家は、ここと同じような細長い造りだったと言う。 「夏は涼しいが、冬は寒い。便利は悪くても、慣れているので新しい家よりいいですよ」と、中川さんは笑顔で話した。