京都市といえば古い寺や町家を思い浮かべるが、洋風建築物が残る街でもある。明治時代、経済の中心だった三条通。今もれんが造りの建物が並んでいる。 安佐北区可部の旧雲石街道沿いにも洋風の建物が立つ。古い町家に比べて異色の存在だ。「大正末か昭和初期の建築と父から聞きました」と、花と茶と茶道具の店にしている行貞知尚さん(54)。
一見鉄筋のようだが、木造モルタルだ。旧芸備銀行可部支店を経て、1969(昭和44)年まで広島銀行可部支店。銀行時代、内部は吹き抜けに回廊を配した重厚な造りだった。 「湿気がなく、温度が一定に保てる大きな金庫はお茶の保存に最適」と行貞さん。京都には茶道、華道の家元が多い。この建物が茶と花の店なのも何かの縁だろうか。
(今田 豊)=おわり