
素朴で温かなミニ列車 太田川の向こうを列車が通る。黄と白のミニチュアのディーゼル車は長さ約十五センチ、実物の約百分の一だ。陶器の温かな質感が、自然の中をゆったりと走る可部線の素朴さを伝える。 自宅のある布―加計間が開通したのは一九五四年三月。当日は胸を躍らせて近くの小河内駅から加計駅まで乗った。「あふれるほどの乗客が車内から必死に国旗を振っていた。その様子が頭に焼き付いている」 JR西日本が国へ廃止を届け出た昨年十一月、「将来まで形に残したい」と、高校通学当時の蒸気機関車から作り始めた。運転席や車輪、ライトなど細かい部分まで再現した。焦げ茶色の車体に黒い模様が入った客車二両も作った。 生活に密着した鉄路の廃止。「地元の人は列車の通過で時間が分かるんよ。これからは腕時計をして出掛けんと」。寂しさが創作への思いを駆り立てる。 一年で二十台以上を制作。趣味で作るコップなどはフリーマーケットなどで販売しているが、可部線シリーズは自宅の棚に大事に飾っている。 |
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