中国新聞
2003.11.18

可部線陶芸

 4.ビーズ絵刺繍(ししゅう)  
教室講師 小田貞枝さん(79)=広島市安佐北区倉掛

小田貞枝さん

 春の宴 山里に深い愛着

 「花の駅」で知られる加計町の安野駅。レンギョウ、桃、桜の花が咲き乱れる春の宴(うたげ)を、二万個のビーズで表現した。縦約三十センチ、横約四十二センチの布に、直径二ミリ前後のビーズを丹念に縫い付け、約二十色を巧みに使い分けた。「列車がホームに入って来た感じや遠近感、色の濃淡を出すのが難しかった」というお気に入りの作品でもある。

 ビーズ刺繍は四十年のキャリア。自宅で教室も開く。絵は七年前から始め、風景画を中心に百点以上を制作した。豊かな自然が残る可部線には深い愛着を抱く。「昔からの静かな山里があり、レトロな感じがして心が落ち着く」。繊細な美しさが魅力のビーズ絵。安野駅は沿線一の「絵になる景色」という。

 二年前、半月がかりで仕上げたこの作品は、展示会で大好評だった。普段は作品の多くを知人にプレゼントしているが、これだけはなぜか手放せなかった。「廃止が決まった今になってみれば、作っておいてよかった。永久保存版にします」。家宝として子孫に残し、可部線の思い出を引き継ぐつもりだ。

「わたしの可部線」

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