中国新聞

存続か廃止か JR可部線

「可部線廃止届を準備」
―JR広島支社長が表明―


  ■27日に最終判断 近藤隆士JR広島支社長

 JR西日本広島支社の近藤隆士支社長は、八日の記者会見で、JR可部線可部(広島市安佐北区)―三段峡(広島県戸河内町)間について、国土交通省へ廃止届を出す方向で準備を進めていることを明らかにした。今月二十七日、沿線自治体との協議で、最終判断を示す見通しで、同線の存続は極めて厳しい状況となった。

 会見で近藤支社長は、存廃判断の基準となる、昨年四月から一年間の輸送密度(一日一キロ当たりの平均乗車数)が二十七日にまとまる―としたうえで、「基準を下回れば速やかに廃止届を出す」と強調。「準備は怠りなく進めている」と述べた。

 会見後の取材に対し、「期間中に社員を張り付けて実施した実態調査の結果も踏まえ、輸送密度の結果に速やかに対応できるように、支社で廃止届の書式も検討している」と説明した。

 同支社が昨年十二月に発表した上半期(四〜九月)の輸送密度は四百五十二人で、存廃判断の基準である八百人を大きく下回る。その後も増発、延長便の最大乗車人員が伸び悩むなど「存続は厳しい」との見方を繰り返し示している。

 一方で、沿線自治体でつくる可部線対策協議会も増便が終了した三月末に「輸送密度五百六人」との独自調査の結果を公表したうえで、「公設民営化」「公的支援」など盛り込んだ再生案をJRに提示。存廃判断を三年間先延ばしするよう求めたが、JR側は「存廃はあくまで数字を見て判断する」と退けていた。

 JRは一九九八年九月に同区間を二〇〇〇年春で廃止すると発表。地元の強い存続運動を受け、二度にわたり実施を先送りし、試験増便を実施してきた。

 沿線の商工会を中心につくるJR可部線存続実行委員会などは十二、十三の両日、沿線を行進。存続を願う住民の思いをアピールするとともに、JR西日本広島支社を訪れ、存続をあらためて要望する。

 沿線市町村でつくる可部線対策協議会の事務局を務める広島市都市交通部も「厳しい現状は認識しているが、最終判断が出るまでは、粘り強く関係機関への要望を続ける」と話している。

(2002.5.9)


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