対策協 「財政的に困難」代替バスを模索 JR西日本が廃止を計画している可部線の可部(広島市安佐北
区)―三段峡(広島県戸河内町)間四六・二キロの沿線自治体で構
成し、同区間の存続方策を検討していた可部線対策協議会(会長・
秋葉忠利広島市長)は二十二日、市内で開いた会合で、第三セクタ
ーでの鉄路存続案を断念した。
JR西日本は今月中に中国運輸局に同区間の廃止届を提出し、一 年後の来年十一月末で運行を止め廃線とする方針である。対策協な ど沿線自治体の論議は今後、廃止区間に代替バスを走らせる具体策 の検討へと移る。 この日の会合では各市町村が、地域での検討結果を報告した。対 策協が九月にまとめた三セクの収支予測は、向こう四十年間で年平 均二億一千万〜三億八千万円の赤字となる見込み。沿線人口の増加 も期待薄であるため、各首長からの報告は「三セク化は財政的に困 難」との見方で一致し、鉄路の断念に異論は出なかった。 対策協は「地域交通の機能はバス代替が可能」とみている。しか し、現在の可部線と国道などの幹線道が平行していない区間があ り、運行主体の決定や既存のバス路線との調整も必要なことなどか ら、バス代替の実現にはなお課題も残る。 可部―三段峡間は一九六九年に開業した。JRは九八年、廃止・ バス転換の方針を発表。地元の要望で二度にわたる試験増便を実施 したが、今年三月までの一年間の輸送密度(一日一キロ当たりの平 均乗客数)は四百八十七人にとどまり、JRが存廃基準とした八百 人を下回った。このためJRは五月、同区間の廃止を最終的に決め ていた。 ■首長ら無念 苦渋の決断
「断腸の思いだ」―。JR可部線可部(広島市安佐北区)―三段 峡(広島県戸河内町)の第三セクターによる存続を断念した二十二 日、決定を下した沿線五市町村でつくる可部線対策協議会(会長・ 秋葉忠利広島市長)の会合は重い雰囲気に包まれ、首長らは無念の 声を漏らした。 戸河内町の野上昭典町長から順番に、地域の最終判断を説明して いく。いずれも将来にわたる大きな負担などを理由に「残念だが断 念せざるを得ない」。秋葉市長が「将来へ持続可能でないと鉄道存 続はできない。その結論でいいですか」と総括すると、「はい」と 小さな声がまばらに響いた。「存続」の声は出なかった。 加計町の佐々木清蔵町長は「これまでの沿線の取り組みを、代替 交通の確保や地域振興にどう生かしていくか。(きょうは)おしま いでなく始まり」と強調。秋葉市長も「これまでのノウハウ、エネ ルギーを継続、発展できればと思う。心を一つにして取り組みた い」と述べた。 加計(加計町)―三段峡の開通に町職員としてかかわった経験を 持つ野上町長は「国土の均衡ある発展に鉄道敷設が続いていたこ ろ。今、時代の推移を感じる」と、地図から線路と駅が消える無念 さをにじませていた。 ▽「跡地 地元譲渡も」JR支社長 可部線対策協議会の会合にオブザーバーとして参加したJR西日 本広島支社の近藤隆士支社長は、協議会の席で発言の機会はなかっ た。閉会後の取材に対しては「約束通り、今月末に廃止手続きを完 了させるだけだ」と、協議会の三セク化断念についてコメントを避 けた。 当初提案していたバスによる代替輸送は「当時、地元の方々に断 られた。われわれに法的な義務もない」と白紙の状態であることを 強調。「広島にはたくさんのバス会社がある。それでも、という要 請があるのであれば、可能性はゼロではない」と説明した。 廃止後の駅舎や線路などの跡地利用については「現時点では何も 考えていない」とした上で「(地元の自治体などに対して)無償譲 度もあり得る」と話した。 (2002.11.23)
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