'11/12/6
結果分析 丹波史紀・福島大准教授に聞く

福島県双葉郡8町村の全世帯アンケートをした福島大災害復興研究所の丹波史紀准教授(社会福祉論)に、結果分析を聞いた。
―元の居住地に「戻る気がない」の回答が26・9%。この結果をどう捉えていますか。
震災だけの避難なら、帰還希望者はもっと多いはずだ。古里への愛着を問うと、すべての世代で60〜70%台。「戻る気がない」の回答が半数を占めた34歳以下も愛着は約60%だった。問題はやはり、放射能汚染。自由記述欄には「若い世代が住めないと復興は無理」との意見があった。8町村の首長らも、集計結果にショックを受けたようだ。
―国や市町村が実行、計画する除染を「困難」とみる意見が8割を超えました。どう見ますか。
根っこにあるのは、国への不信感。事故後の情報隠しが影響している。除染は膨大な費用だけでなく、長い時間がかかる。避難生活の限度は「3年以内」が74・1%だった。自由記述からは、国による土地買い上げを求める人が少なくないことも分かった。国は早急に住民意識調査をして、きめ細かい支援策を示すべきだ。
―広島での被爆3世だと聞いています。広島の経験が生かせる支援策はありますか。
原発事故で福島県外への避難者が6万人を超えた。被曝(ひばく)の晩発性障害は数年から数十年後に出る可能性がある。将来にわたり避難者を追跡、サポートする必要がある。私は「被爆者はどこにいても被爆者」という理念に共感している。全国どこでも医療を受けられる被爆者健康手帳のような制度をつくるべきだ。
たんば・ふみのり 1973年愛知県あま市生まれ。日本福祉大大学院修了。知的障害児施設の指導員や姫路日ノ本短大専任講師を経て、2004年から現職。浪江町復興検討委員会の委員も務める。
【写真説明】双葉郡8町村の全世帯アンケートを分析する丹波准教授






