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2002.2.21

宮島への初もうで列車にカラオケ駅伝、ホタル祭り…。山口県錦町から岩国まで三二・七キロ、所要時間五十五分の錦川清流線は、年間十五回にも上る多様なイベントで知られている。だが基本はあくまで沿線住民の生活路線である。
「ますますその重みは増してきた。やめるわけにはいかないな」。運行する第三セクター、錦川鉄道(錦町)の中野佳明専務(65)は年々その感を深くしている。赤字の旧国鉄岩日線を受け継いで今年七月で十五年。中野専務は国鉄OBだ。
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| 錦川清流線の錦川駅を出発する車両。1両編成で上り12本、下り11本を運行する |
この間、鉄道と並走する国道187号で、二社が運行していた路線バスが廃止された。定期通学している中高生三百十八人にとって今、清流線が唯一の公共交通になったのである。
ともかく年間利用客は設立二年目の五十八万四千人をピークに減少が止まらないが、二〇〇〇年度の利用客はまだ四十三万八千人もある。その五割は通学、一割が通勤だ。
残りの一般客もイベント関連の団体客などは5、6%で地元の利用が大半だ。中野専務は「中高生と同じく、マイカーを持たない交通弱者のお年寄りの利用が増えている」とみる。
経営はもともとが赤字覚悟。それでも将来へつけは回さない―という仕組みを整えて出発した。三セクは山口県と錦、本郷、美川、美和、岩国五市町村などが出資。併せて年間二、三千万円が見込まれる赤字を補てするため、国の転換交付金を柱に計六億六千万円の鉄道経営対策事業基金を設立したのだ。
ところが金利収入の目算が、低金利で見事に外れた。一九九五年度から五年間で取り崩した基金の元本はもう二億円。二〇〇〇年度も営業収入一億八千万円に対して、経常損失が千三百五十万円に上っている。
「基金の利子で清流線は永遠に走り続けるというシナリオがぐらついた」。三セクの社長、寺本隆宏錦町長(43)は関連自治体による補てんが、いずれ課題に上るとみている。
そこで原点の乗客増対策があらためて重要になる。全国の三セク鉄道三十七社でも、回数が抜きん出ているというイベントは、これからも欠かせないと関係者はみる。
各種イベントによる錦川鉄道の増収効果は二〇〇〇年度で約四百万円。それなりの収入として位置づけている。そのイベントを支えて来たのが「岩日線を守る会」を発展的に解消して発足した「錦町錦川清流線を育てる会」だ。「地域のサポーターの存在は大きな励み」と中野専務。
育てる会会長の錦町商工会長、堀江泰さん(47)は「イベントは地元の人に『マイレール』の意識を持ってもらう意義も大きい。それが崩れたら今度こそ鉄道はなくなる」と強調する。マイレールを支えるシナリオに完成はないようだ。

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