| ■農産物自由化 |
聖域崩れ コメ下落の一途 |
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●苦境の生産者 外圧追い打ち
コメの価格こそデフレ社会の象徴。いったいどこまで下がるのか と、三次市小田幸の大谷治則さん(47)は不安になる。二ヘクタールでコメ、
転作田一ヘクタールで菊と飼料作物などを栽培。昨年三月まで広島県農協青 壮年連盟の委員長を務めた四年間、米価下落に対応できない悔しさ
を痛感してきた。
下落のきっかけは「あの時から」と農業関係者が言う、コメ市場 開放を決めた一九九三年末のウルグアイラウンドの合意である。あ れ以来、自主流通米は平均で三割前後下落。当時、一俵(六十キ ロ)二万二千円程度した大谷さんの販売価格も昨年産は一万五千円 程度まで落ち込んだ。
▼転作も効果なく
海外との競争はもう抗し難い流れ。「コストで負けるのだからや れん。ユニクロを見ていると農業だけの問題ではない。だが工業製 品の見返りで、農業がやはり犠牲にされている」と、大谷さんはあ きらめ気味だ。
ウルグアイラウンド合意までコメは農産物自由化の例外、まさに 「聖域」だった。自由化反対の国会決議が結局、ほごにされて迎え
た農産物のほぼ全面自由化時代。世界貿易機関(WTO)の次期ラ ウンドでは、コメの市場開放圧力が一段と強まる見通しもある。
輸入米増加に対する政府の対応は「値崩れ防止のために転作を 」。本年度の転作面積はとうとう過去最高に。「これまで百パーセ
ント転作には協力してきたが、米価は見ての通り。凶作にでもなれ ば外国産がまた自由に入ってくる。その仕組みがもうできた」。広
島県三良坂町田利、藤原博巳さん(37)は危ぐする。
コメの自作地二・四ヘクタール、借地二十五ヘクタール。他に稲作作業を二十五〜 三十ヘクタール受託する県内一の大型経営である。転作も九ヘクタールと大規模。う ち八ヘクタールは大豆を作る。新農業基本法のもと食料自給率向上の三大品 目の一つだ。
▼5万票割り当て
「全国一律に増やせば産地間の競争になる。北海道に比べ湿気の 多いこちらは不利。助成だっていつまで続くか」という不安も抱い
く。
「聖域なき構造改革」を掲げて登場した小泉内閣。参院選で全国 の農協グループは従来通り自民党を推す。比例は元農水省局長の新 人が組織候補だ。藤原さんは「将来に不安はある。だが農家の声を 代表してもらおうとすれば、やはり自民党の組織ではないか」と言 う。大谷さんも同じ思いである。
比例候補の獲得目標は百万票で広島県への割り当ては五万票。だ が全国区最後の八〇年の実績は二万票余り。当時より組織力が落ち
たうえ、非拘束名簿式で当選には候補名が不可欠になった。「組織 票だけで達成は難しいが知名度がいまひとつ。後で何票出たかも分
かる。正直大変な選挙ですよ」と県農協中央会の幹部は漏らす。数 少なくなる農業大表の議席確保に躍起である。
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