■独自に空き店舗対策
「ずっと我慢のし通し。さらに大きな痛みと言われても…。この
先、どこまで辛抱すればいいのか」。徳山市銀南街商店街振興組合
の広谷勝永理事長(64)は、小泉純一郎首相が掲げる「聖域なき構造
改革」に不安を隠せない。
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中元、ボーナス商戦まっただ中の日曜日でも、アーケ
ード街にかつてのにぎわいはない(徳山市銀南街商店街) |
七つの通りに四百十七店が集まるJR徳山駅前商店街は、山口県
内でも最大規模。中でも、銀南街商店街(六十七店)は、誕生から
五十年を迎えた一番のしにせ通りだ。
参院選公示後の日曜日。中元、ボーナス商戦の最中でも、東西約
三百五十メートルのアーケード街に人通りはまばら。「週末は人だ
かりで、遠くが見通せない」と言われた一昔前のにぎわいはない。
人通りは三割以上減り、特に週末の落ち込みがひどいという。
県内の多くの商店街と同様、長引く景気低迷と、郊外型大型店の
進出のダブルパンチを受けた。同商店街も、下松市、新南陽市に大
型店がオープンした一九九三年以降、空き店舗が目立つ。
銀南街の空き店舗は現在、十店。商店街全体でも三十四店に増え
た。徳山商工会議所は、国、市などの補助で、一九九八年度から空
き店舗対策事業に取り組むが、補助金が切れて退く店もあり、打開
策はみえない。
六十歳代の別の経営者は「売り上げは十年前の半分。預貯金を切
り崩し、自分の人件費を削る状況が何年も続く。数十年で、今が一
番しんどい」と打ち明ける。
こうした状況で打ち出された「聖域なき改革」。三年以内の抜本
的解決を図る不良債権処理を「経済再生の一歩」とする一方、失業
者増加などの「痛み」も明言した。
商店主たちはバブル崩壊後、国政選挙の度に各政党が訴える「景
気回復」を見守ってきた。ぎりぎりの線で踏ん張って来ただけに、
「景気回復がさらに遠のく」との不安が強まる。
銀南街商店街で今月、独自の空き店舗対策事業が動き出した。年
度ごとの行政の補助金に頼らず、息の長い動きを目指す。中心とな
る田村弘道さん(59)の立場は「構造改革には賛成」。ただ条件を付
ける。「いつまで、どれだけ我慢すればいいのか。展望が示されな
ければ賛成できない。各党、各候補の訴えを聞いても、見えてこな
い」
思いは、岩国市中通商店街振興組合副理事長の松川卓司さん(43)
も同じ。「展望がなければ、貸し渋り、消費者の買い控えが続くだ
け。街が本当になくなるかもしれない」と危機感を隠さない。
(01.07.18)