■特定財源 行方に注目
岩国市内から国道2号で広島県へ向かい、和木町を目の前にした
岩国市新港町に差し掛かる。片側二車線が一車線に減った途端、車
の流れが止まる。一日当たりの通行車両は上下線合わせ約四万台。
慢性的な渋滞は、朝夕を問わず続く。
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県内ワースト1の渋滞ポイント、栄橋南詰め交差点。
橋の向こう側は大竹市(和木町) |
「もう何十年もパンク状態。いつになったら良くなるのか」。和
木町の藤本光亮町長はため息をつく。バイパスとなる広島岩国道路
は一九九〇年までに広島―大竹間三二・九キロが開通。しかし、残
る大竹―岩国間九・八キロの開通は「早くても十年後」(岩国市都
市計画課)と、見通しが立たない。
岩国市周辺の道路事情の悪さは、住民生活へも影響を与える。県
内の主要渋滞ポイント(県調べ)のワースト3は、未着工区間内に
ある和木町の栄橋南詰交差点、同町の装束門交差点、岩国市新港
町。以下六位まで、岩国市内が並ぶ。
小泉首相は道路特定財源の見直しを改革の目玉に掲げた。県東部
では特に、特定財源の一般財源化が「道路整備の遅れ」につながる
と映り、反発が強い。
「道路事情で5%は売り上げが違う。走っていくらの業界。岩国
は、普通は十分の距離に三倍以上に時間がかかり、労働の割に報わ
れない」。市内のタクシー運転手が漏らす不満は、切実だ。
五月のタクシー一台当たりの一日営業収入は、岩国市が一万八千
百五円。十四市では二番目に低く、トップの柳井市とは六千円以上
の差がある。県乗用自動車協会がまとめた市郡別輸送実績は、運転
手たちの不満の一端を示す。
岩国市議会は六月定例会で、「道路整備の推進を求める要望決
議」を可決。今月十日開いた、岩国大竹道路建設促進期成同盟会の
総会も、道路特定財源の一般財源化に反対する意見書を可決した。
「整備の行き届いた都会の高速道と、地方の生活道を一律にされ
ては困る」と本田嗣郎市議会議長は住民の声を代弁。市も「国道2
号は都市内交通、生活道、通過交通が混在するのに、片側一車線。
幹線道整備が抜本的解決策なのに」と、改革の行方を注視する。
「不景気でお客が伸び悩む中、道路整備まで遅れると死活問題に
なりかねない」と市内のタクシー会社社長(60)。同時に一市民の視
点では「見直し絶対反対」でもないと言う。「特定財源が、本当に
必要な個所に投入されていないから問題。制度を見直すなら使い道
の明示と、優先順位付けが欠かせない」
(01.07.19)