地球の反対側 教育格差じわり
アルゼンチン・ブエノスアイレス 相川知子
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白衣が目印 無料の公立
残暑の三月、白衣を着て車付きリュックを引きずっている子どもたちがアルゼンチンでは新学期の風物詩です。
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| グアルダポルボスと呼ばれる白い上っ張りを身に着けた女の子 |
日本人の友人に「こちらは理科の授業が多いんですね」と言われて吹き出したことがあります。理由はこの白衣、グアルダポルボスと呼ばれる上っ張りを先生も着ています。直訳で「ほこりよけ」。なるほど服が汚れず便利です。一般に公立の小中学生の制服で、チェックのスカートやグレーのジャンパースカートやズボンを着ているのは、私立校生です。
公立と私立の大きな違いは教育内容と言われますが、むしろ時間の差、「預かってもらえる」時間の長さにあります。公立は午前中か午後の四時間しか学校で勉強しません。芸術科目や外国語を重視したり、親が共働きの場合などは、八時間近く過ごせる私立に通わせたいというのが本音ではないでしょうか。
公教育のレベル低下がブエノスアイレス近郊などで言われています。家庭の経済水準と子どもの学力との比例関係が指摘されています。学校支給のおやつが食べられるから通うケースもあります。それでも空腹で授業に集中できない子や労働力として学校に来られない子もいます。
私立小の月謝とスクールバス代は日本円で約二万円以上。当地の物価から考えると日本で五万円相当の価値になります。中産階級もだんだん払うことが困難になり、公立校に転校させることもあります。
幼稚園から大学まで公教育は無償です。少額な学校維持会費はありますが、支払い義務はありません。半ば強制したら教育省に訴えられた学校もあります。
日本で公立大学は安かったからというと、アルゼンチン人には「どうして学費を払ったの」と理解してもらえません。
あいかわ・ともこ アルゼンチン在住18年。日本語教師、スペイン語通訳、翻訳、テレビ撮影コーディネーターなどを経験。同国をはじめラテンアメリカなどの情報発信がライフワーク。
2008.4.4
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