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厳選素材 元気の秘けつ
子どもらに生活力つく 自分で素材を選んだり、調理できない給食だからこそ安全なものを―。保育園やお年寄りのためのデイサービス施設のなかに、信頼できる食材を使って安全な給食を作るところが出てきた。
「よく風邪をひいていた子どもがほとんど休まなくなったんです」。広島市西区の保育園「リトルニュートン・トムソーヤの森保育舎」の佐々木周司園長(43)はうれしそうに話す。元気の秘けつは、給食にあるという。 六年前までは、英語教育などを取り入れた幼児教室だった。時には大人顔負けの知識を披露する子どもたちだが、自分で遊びを考え、仲間と一緒に行動する力が欠けていた。保育研究会などで、食品添加物や残留農薬、偏食が、子どもの心や体に悪影響を与える可能性があるという話を聞き、一昨年の秋、添加物を使わない減農薬野菜中心の給食に変えた。 給食の時間。園児たちの笑顔が広がる。お代わりをする子も多い。栄養職員の北理絵さん(25)は「給食を変えてから、子どもたちがすごく食べるようになりました」と喜ぶ。 「園で栄養を取れているから安心」と、家庭での食事を軽視する親がいるのも事実。家でも安全な食事を取ってもらいたいので、年数回、保護者を招いて、調理実習や勉強会を開いている。昨年度は、約七十人の保護者に交代で給食作りに参加してもらった。野菜嫌いだった子どもが野菜を食べられるようになった。佐々木園長らが願う「生活力のある子ども」が増えている。 広島県府中町の高齢者向け施設「デイサービス・ゆたか」の食事は、こだわりの健康食だ。「自然の摂理に合った旬の野菜で体の免疫力を高めたい」という思いを、昨年七月に形にした。 主食は玄米。肉や魚は使わない。砂糖や添加物も禁止。野菜は、産地や生産者がはっきりしている無、低農薬のものを選んでいる。煮物や酢の物にも砂糖を使わず、素材の味を最大限引き出す。「健康を考えてくれているのがよく分かる」と、利用者の評判も上々だ。 「ゆたか」を切り盛りする永田雅子さん(48)は、牛海綿状脳症(BSE)や食品偽装表示の問題が起きて、まず家族の食事を玄米と低農薬野菜中心に変えた。家族が元気になったと実感した。ちょうどデイサービス事業を始めようと思っていたとき。材料費が高くなるのを覚悟で、デイサービスにも取り入れた。 週二回利用している同町の山岡増男さん(86)は「大ごちそうとは言わないが、うまい」と、昼食を楽しみにしている。永田さんは、「リハビリや治療も大事だが、自分で気を付けられることは食事。安全でいいものを食べて元気で長生きしてほしい」と願っている。 (永井友浩、衣川圭) =第3部おわり
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