中国新聞LEADERS倶楽部
2017年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る

市況に応じて建造船種を拡大

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代表取締役社長 神原 宏達 (かんばら ひろたつ)

―市況の変化に応じて、建造する船種が増えています。

従来は、ばら積み貨物船の建造が中心でしたが、他の船種にも対応する方向にシフトしています。今年は40隻を建造します。ばら積み船以外ではタンカーと中小クラスのコンテナ船建造に力を注ぎます。

タンカーはアフラマックスと呼ばれる積載貨物量10万トン級の船。地元の常石工場で建造します。積載数が2806個型のコンテナ船を中国浙江省の舟山工場で連続建造します。ばら積み貨物船の市況は緩やかな改善傾向ではありますが、特定の船種による市況変動リスクの回避を強化しながら、今後も受注量や売り上げの安定・拡大を図っていきます。

―海運事業の状況は。

昨年は日中間のコンテナ船輸送が前年より堅調でした。東南アジア、特にフィリピンとベトナムからの貨物の取り扱い量拡大に努めます。ばら積み船に加えて、2019年以降は石油製品を運搬するタンカーを所有します。造船事業と同様、市況の変化に対するリスク分散を進めていく方針です。

―多様なサービス事業も展開しています。

遊園地やホテル、水上飛行機などさまざまなサービス事業で雇用を生み出し、地域に貢献しています。

水上飛行機事業は16年にスタートさせました。5機体制で、瀬戸内の多島美を楽しむ定期遊覧やチャーター便を運航しています。昨年10月には宿泊型客船「guntû(ガンツウ)」も運航を開始し、高い評価をいただいております。各事業の経営基盤を強化し、利益を生み出す体質を構築していきます。

―技術革新にも取り組んでいます。

造船業界は他業界に比べて技術革新の導入が遅れていると認識しています。環境対策や燃費向上に力を入れて優れた船を造っていく必要があります。

20年から国際的な船舶の環境基準が改定されます。今年はこれに先駆け、船舶燃料の硫黄分規制など、新基準に対応した新たな船を開発していきます。非造船分野の各部門の売り上げ増や利益増に挑戦する1年にし、グループの成長に資する新たなビジネスの芽があれば大切に育てたいと考えています。

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常石全景
概要
社名ツネイシホールディングス株式会社
本社所在地〒720-0393
福山市沼隈町常石1083
Tel 084(987)1111
創業1903年
事業内容祖業の海運や中核の造船に加え、環境、エネルギー、ライフ&リゾートの五つの事業部門において、グループ経営資源の相乗効果を発揮し、事業の多角化やグローバル化を進めることにより、経営基盤の安定を中長期的な視野で図っています。
資本金1億円
売上高2038億円(2016年12月期)
従業員数約4000人(2016年12月現在)
海外拠点フィリピン、中国、パラグアイ、シンガポール、オランダ、インド、ベトナム
関連会社常石造船、神原汽船、ツネイシカムテックス、ツネイシCバリューズ、ツネイシLRなど
ホームページhttps://www.tsuneishi-group.jp/