中国新聞LEADERS倶楽部
2017年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る

仏壇の技 工芸品修復に生かす

photo
代表取締役社長 三村 邦雄 (みむら くにお)

―時代のニーズに合わせて仏壇・仏具の新製品を開発しています。

金箔(きんぱく)や漆を施した伝統的な金仏壇からマンションなど最近の住宅事情に合わせた小型仏壇までさまざまな仏壇を作っています。洋間にはマホガニーなど家具用の素材がマッチすると好評です。小型仏壇の展示の場として一昨年、広島市中区の本社隣に「和の工芸館」を新設。価格は10万円以下からそろえており、売り上げは好調です。親から譲り受けた仏壇をリフォームする方も多く、金箔を貼り直すなどして輝きを取り戻し、大変喜ばれています。多様化する仏壇のデザインに合わせて、おりんや高杯(たかつき)などの仏具も開発しています。

―寺院や神社の修復など、事業内容を拡大しています。

製造から販売、修復までを担ってきた実績が評価され、寺社の新築・修復に関連した受注が増えています。昨年は広島県府中町にある龍仙寺さまの本堂の再建に関わり内陣(ないじん)を施工致しました。祭りで担ぐ御輿(みこし)の補修や個人宅に家宝として残る硯(すずり)箱の修復など、漆を使った工芸品の仕事も増加しています。最近は日本の伝統工芸の魅力が海外でも広まり、店を訪れる外国人観光客が目立ちます。

―工場や店舗を改修しています。

広島市や宮崎県にある11カ所の工場を改修します。小型仏壇の専門工場の機能を別の工場に融合するなど1カ所で多種類の仏壇を作り、生産性を上げるのが狙いです。人手不足を補うために工場内は機械化しています。素材の加工に機械を使い、最後は熟練の職人が丁寧に仕上げます。効率よくコストを下げる努力を続けてきた結果、金仏壇の製造出荷本数で昨年38年連続日本一を達成しました。また昨年、本社3階を洋風に改修してモダンな仏壇に似合う空間を作りました。今後、他店も同じようにリフォームします。

―社内の体制を刷新しました。

昨年5月、社内で初めて執行役員8人を選任し新体制を整えました。新製品の開発などの意思決定を速めて、加速する時代の変化に対応するためです。社員は朝礼で仏様に手を合わせて心のゆとりを体感しています。仏壇は、先祖や家族に感謝を表す自分へのプレゼントです。これからも人材育成や商品、店づくりを進めて長く愛される仏壇を提供できるよう精進致します。

photo
府中町 龍仙寺さま 内陣施工
概要
社名株式会社三村松
本社所在地〒730-0033
広島市中区堀川町2-16
Tel 082(256)0001
設立1958年5月【創業 慶応元(1865)年】
事業内容仏壇、仏具製造及び卸小売り
資本金45億7000万円(自己資本)
売上高42億8500万円(2017年4月期)
従業員数362人(2017年4月現在)
支社・支店・工場立町本通り店、寺町本店、楽々園本店、八木本店、呉本店、西条本店、神辺グラン仏壇館、岩国本店、和の工芸館(ぶつだん通り)、吉島工場、鹿児島工場、宮崎工場
ホームページhttp://www.mimuramatsu.co.jp/