中国新聞

title 中海全景
中海の約5分の1を占める本庄工区。 右中央が大根島、左側が松江市
 自民党と農水省が中止方針を固めたことで、着手から三十七年を 経た国営中海干拓・本庄工区(約千四百ヘクタール)は、完成をみ ないまま終結を迎える。「昭和の国引き」ともてはやされた大事業 の運命は時代とともに揺らぎ続け、意義は色あせた。それでもな お、事業再開に未練を残す島根県に、公共事業の見直しの成果がほ しい自民党、そして、干拓にほんろうされ続けた代償を求める地元 市町…。それぞれの思惑をはらみながら、決着に向かっていくこと になる。

1. 「凍結」迷走  県の方針 孤立無援(2000.8.12)
2. 首相の影  「竹下さんいれば…」(2000.8.13)
3. 長すぎた夢  37年 振り回される(2000.8.15)
4. 代償の行方  将来像なき振興策(2000.8.16)
5. 再生に向けて  環境の回復が第一(2000.8.16)

 
中海干拓・本庄工区の経過
 

1954年6月 島根県が中海・宍道湖の干拓淡水化計画の概要を発表
63年4月 国営中海干拓事業スタート
80年3月 森山堤を閉め切り、本庄工区が現在の姿に
88年5月 島根県と鳥取県が、淡水化施行の延期を農水産省に申し入れ
9月 農水省と島根県、鳥取県が淡水化延期に伴う中海干拓協定に調印。本庄工区は先送り
89年3月 揖屋、安来工区の干拓完成
92年5月 島根県と農水省が本庄工区の工事の5年間延期協定を締結
95年3月 本庄工区土地利用懇話会が3論併記の報告書を島根県に提出
96年3月 澄田信義知事が本庄工区の事業再開を農水省に要請
8月 自民、社民、さきがけの与党3党が、水産を含む2年間の調査と検討で合意
98年3月 調査が終わり本庄工区検討委が初会合
1999年12月 検討委、利用計画を全面干拓、部分干拓、水産利用の3案に絞る
2000年3月 3案併記で利用報告書案まとめる
4月 中国四国農政局が「社会状況が変化」と全面干拓見直し方針示す
7月20日 澄田知事、島根県財政の圧迫懸念し事業凍結の意向固める
7月31日 本庄工区事業凍結 澄田知事が国へ報告
8月1日 自民検討会が中海など272件の公共事業見直し決める
8月7日 農水省が中海本庄工区干拓事業を中止する方針固める
8月11日 澄田知事「中止も視野」と自民検討会の座長に表明
8月17日 中海干拓、島根県が中止方針受諾へ


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