![]() |
中国新聞社会事業団(山本治朗理事長)が、長年にわたって中国地方で社会福祉事業に功績のあった人に贈る「第44回中国社会事業功労賞」の受賞者が決まった。受賞するのは広島2人、山口、岡山、鳥取、島根各1人の計6人。高齢者福祉、母子家庭支援、身寄りのない子どもたちの養護などで多大な貢献をした人たちだ。それぞれに歩みを語ってもらった。表彰式は27日午後1時半から広島市南区比治山本町の南区民文化センターで行われる。 |
|---|
|
広島市母子寡婦福祉連合会 会長 | ||
|---|---|---|---|
| 中村 君子さん(79) | |||
| 広島市安佐北区狩留家町 | |||
|
結婚間もなく戦地へ向かった夫は、復員直後に病死した。小学校教師をしながら一人息子を育てた。二十三年間の教員生活の後、母子家庭の福祉問題にかかわり続けて二十八年。この間、小学校区の母子寡婦福祉会会長や、安佐北区と広島市の同連合会長として活動を続けてきた。「五十を過ぎてからの人生は、福祉にささげるつもりで生きてきた」と穏やかな表情で語る。
母子家庭があると聞けば出向いて入会をすすめ、気になる母親はお茶に誘って相談に乗ってきた。「じっくり話し込み、子からも話を聞くと、親子のすれ違いぶりが見えてくる。子育ての不安など、外からはわからない家庭の悩みや事情も浮かんできます」と、現場経験の大切さを強調する。 時代とともに、離婚が増えている。戦災寡婦と若い母親との間には、世代間の溝も深く、「福祉の助成さえもらえばいい」と入会を断る若い母親も少なくない。幼児虐待の傾向など母子関係も複雑になった。「若い世代が受け入れやすい組織づくりが必要です」 二年前、市の連合会長になって、若年層が遠慮なく活動できるよう、年代別グループ「あおぎり」「わかぎり」「はなぎり」を編成。市と連携し、小・中学生の遊びや相談の相手として、学生ボランティアを週一回、家庭に派遣する子育て支援にも乗り出した。母親を対象にした子育て勉強会も開くなど、時代のニーズにあった組織づくりを進めている。「歩みは遅くとも、次世代を担う母子の心細さを和らげるようにこれからも支援を続けたい」。七十九歳になったいまも、意欲を燃やし続けている。 |
| ||
|
《略歴》 なかむら・きみこ 1920年4月1日、広島市安佐北区生まれ。 土肥女学校(呉市)卒。50歳まで小学校教員。71年から広島市母子寡婦福祉連合会評議員。84年、同会副会長。97年、同会会長。広島市民生委員推薦会委員。広島市社会福祉協議会理事。広島市共同募金会理事 |

