広島県議の金品受け取り
「金返せば済むのか」 「倫理感覚問われる」

■不信募らせる県民

 「金を返せば済むのか」「政治家としての倫理感覚は」―。海砂採取に絡む贈収賄事件の関係者から、宇田伸広島県議(41)=福山市水呑町=が百万円の商品券を受け取りながら、政治献金として後援会の収支報告書に記載し、後に返還して記載抹消するという対応に、県民は素朴な疑問と批判を投げ掛ける。同じく二百五十万円を受領し、うち百五十万円について収支報告書を訂正した小出雍晃広島県議(65)=尾道市手崎町=に続く「献金疑惑」に、議会への不信も募る。

 政治献金の在り方に疑問が相次いだ。尾道市久保二丁目、飲食店経営川本勝さん(60)は「返したから、では済まない。金品をもっていく風潮に、メスを入れる必要がある」と、政治家の金品授受に手厳しい。

 社会保障問題などに尽力してもらうために、と政治団体などに献金を続けている広島県医師会。真田幸三会長(66)=広島市西区楠木町四丁目=は、「違法業者からの献金を受け取ったとすれば反省すべきだ」という。

 尾道漁協監事の仁田俊さん(49)=尾道市尾崎本町=は「政治と金を切り離すように法律を改めるべき」と語気を強める。

 一方、宇田伸後援会のメンバーでもある会社社長、石井峯夫さん(53)=福山市春日町=は「宇田県議は相手を見誤った。人を見る、周りを見つめていくのは政治家の義務」と自戒を促す。「時が時だけに受け取らないでほしかった」と福山市女性会会長の佐藤元美さん(78)=城見町一丁目。「新聞で海砂を採取した後の海底写真を見た。あんなに荒れていたなんて…」と、ツメ跡のすさまじさも嘆く。

 納得できる事実関係の解明を求める声も強い。宇田県議が百万円の商品券を、小出県議が百万円を受け取った昨年夏は、海砂論議の真っ最中。市民団体・環瀬戸内海会議の原戸祥次郎事務局長(47)=広島市西区観音本町一丁目=は「何も頼まれなかったと言われても理解できない。市民感覚とずれている」。竹原地域オンブズマン会員、西原道明さん(57)=竹原市竹原町=は「中途半端。最後まで事実関係を明らかに」と、県議会などでの事実解明を求める。

広島県議の金品授受と海砂採取をめぐる主な動き>小出雍晃県議が県内船海砂採取船主会長から寄付50万円受領
(六協、両船主会はすでに解散)
1996年8月  
12月  
小出県議が県内船船主会長から寄付100万円受領
97年2月  
六漁協連合協議会(六協)が採取区域拡大を広島県に陳情
6月9日県生コン安定供給連絡協議会で採取期間の延長要望相次ぐ
7月2日宇田伸県議が六協会長から100万円相当の商品券を受領
8日宇田県議が商品券50万分を換金し、後援会へ入金
8月8日宇田県議が残りの商品券を換金し、後援会へ入金
小出県議が県内船船主会長から寄付100万円受領
10月22日県が採取の最長5年間延長を決定
28日贈賄容疑で県内船海砂採取船主会長を逮捕
11月1日六協会長を贈賄容疑で逮捕
  98年2月16日県が延長方針を撤回し、採取の全面禁止を決定
17日一連の贈賄事件の初公判で県議への現金工作疑惑が表面化
23日小出県議が96年政治資金収支報告を訂正し、県内船船会長からの寄付150万円を記載
3月7日小出県議が97年夏にも100万円の寄付受領を認める
31日宇田県議が商品券相当額を政治資金として県選管に報告
4月上旬六協会長が、商品券は広島海砂採取船主会の中元として、収支報告の訂正を宇田県議に要求
17日県議会の政治倫理委員会で対応策を協議
20日宇田県議が商品券の額面相当額を広島海砂採取船主会に返還
21日宇田県議が収支報告から商品券関連分を削除。商品券の受領を認める


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