海砂採取汚職で2被告に有罪/広島地裁


 広島県内の海砂採取期限の延長をめぐり、贈賄罪に問われた六漁協連合協議会の元会長中本実被告(76)=竹原市忠海中町一丁目=と、収賄罪に問われた広島海区漁業調整委員会の元副会長角本弥久治被告(61)=広島県豊田郡瀬戸田町=の判決公判が二十日、広島地裁であった。山森茂生裁判官は、両被告に懲役一年、執行猶予三年(いずれも求刑懲役一年)、また角本被告が受け取った現金百万円は没収をそれぞれ言い渡した。

 角本被告は控訴しない意向。中本被告は判決を検討したうえで、控訴するかどうか決めたい、としている。

 判決で山森裁判官は「私利私欲のため、県の方針を変えさせようとした行為は反社会的で、悪質」などとと述べ、厳しく断罪した。

 判決によると、中本被告は広島県内船海砂採取船主会の元会長(66)=贈賄罪などで懲役一年六月、執行猶予三年の有罪確定=と共謀し、昨年八月十三日、採取期限の延長などに反対しないように頼む趣旨で、海区調整委員の漁協組合長(77)に現金五十万円を渡そうとした。

 また、角本被告は海砂の採取期限の延長などに賛成する見返りとして、昨年七月二十三日、三原市内の飲食店で中本被告から現金百万円を受け取った。

 中本被告らの贈収賄事件をきっかけに、海砂採取問題をめぐる捜査は一気に進み、広島県警や第六管区海上保安本部が広島県内の三十一業者すべてを砂利採取法違反で摘発。広島県は今年二月に、同県内の海砂採取全面禁止に踏み切らざるを得なくなった。

 広島県内の摘発を機に、捜査は愛媛、岡山、香川県にも広がり、瀬戸内海沿岸の採取四県すべてで違法採取が常態化していたことが裏付けられた。深刻な環境問題として議論は国会でも取り上げられ、国は来春から始まる関西国際空港第二期工事で瀬戸内海産の海砂の使用を制限する考えを示すに至っている。

【写真説明】左から角本弥久治被告、中本実被告


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