【福山選挙区】合区で激戦の様相 「地元票だけでは困難」各陣営警戒感 '07/3/17

 告示が三十日に迫った県議選の福山市選挙区(定数一一)が激戦の様相を強めている。合併に伴って深安郡(神辺町)と芦品郡(新市町)が合区されるのに加え、府中市と合区する神石・甲奴郡区の現職が転入を表明。自民党現職を中心に支持基盤が重なり合い、「集票の構図」はモザイク模様を描いたまま本番に突入する気配だ。(木原慎二)

 ▽「直系」の苦悩

 立候補を表明しているのは現職十一人、新人二人の計十三人。前回までの「福山市・沼隈郡」「深安郡」「芦品郡」を合わせた区域で戦う。定数九は十一になり、実質的な増減はないが、戦いの構図は従来通りとはいかない。

 新たな選挙区で支持基盤が重なるのが、宮沢洋一衆院議員の「直系」といわれる現職三人だ。前回までは福山市・沼隈郡が中津氏、深安郡が松岡氏、芦品郡が平氏と選挙区ですみ分けされていた。ところが合区で事情は一変した。

 福山市・沼隈町選挙区は過去五回、無風といわれた一九九五年を除き、一万二千―三千票が当落ライン。新選挙区でも「一つの目標」になりそうで「地元票だけで到達するのは困難」とみる平、松岡両氏の陣営は市中心部に攻勢をかける。

 さらに宮沢喜一元首相の秘書を長年務めた経歴を持つ藤井氏が、府中市と合区する神石・甲奴郡区から転入してくる。県議会では藤田雄山知事に批判的な「前議長派」に属し、「現議長派」で宮沢洋一氏直系の平、中津、松岡の三氏と対立する。

 今後は、宮沢氏を支援する有力企業の動向に注目が集まりそうだ。

 ▽組織票の行方

 自民党現職を支援する福山市議が言い切る。「合区による選挙区域の拡大は、組織票を持つ候補に断然有利だ。広くなった地域の支持者分だけ足し算できる」

 市議が名指ししたのが、現職後継でJFEスチール労組を支援母体とする内田氏。同労組は、昨年三月にあった旧神辺町の合併に伴う市議増員選で支援候補を当選に導いた。市議は「県議選に向けた足場固めだった」とみる。

 これに対し同労組の幹部は「号令を出したら組合員がすぐに動いてくれる時代ではない。新人で知名度もなく、厳しい戦いを覚悟している」と表情を引き締める。

 もう一人の新人である山下氏。推薦組織の部落解放同盟県連合会や新社会党、県教組が活発に動いており、現職の各陣営は警戒感を強めている。

 ▽争点

 年明けから相次いだ選挙を見据えた事務所開き。あいさつに立った立候補予定者の大半は、藤田知事後援会の政治資金不正事件に絡めて県政改革を訴えた。

 だが、支援者ですら「議員の言い訳のよう」と話すなど反応はいまひとつ。一方で、鞆港架橋計画の是非など直近に判断を迫られる地域課題はまだ、明確な争点として浮かび上がってこない。

 首長選を中心にマニフェスト(公約集)型の選挙が有権者に浸透する中で、自民党現職を応援する若手経営者の一人は「きれいごとではなく、県議選でも地域への具体的で検証可能な公約を打ち出した方が、支持は広がるはず」と指摘している。


MenuTopBack