三十日告示の県議選福山市選挙区(定数一一)で、合併に伴い合区される神辺町(深安郡区)での前哨戦が熱い。有権者三万三千人を抱える市北部の中核地域は一九八七年以来、県議選で投票が行われていない。各陣営は「集票の構図は定まっていない」と進出をうかがう。深安郡区選出のただ一人の現職は、「地元候補」を前面に受けて立つ構えだ。(統一選取材班)
告示まで二十日に迫った今月十日。神辺町内に、旧市内を地元にする自民党現職宇田氏が「神辺事務所」を開設した。駆け付けた町選出の市議を前に宇田氏は「新しい地元」と語った。
宇田氏を支えるのは、元町議会議長。深安郡区選出で神辺町を地盤にする自民党現職松岡氏とはライバル関係といわれる。松岡氏が、事務所開きをした一月二十一日も、「宇田氏を囲む会」を町内で催した。
この動きに対し、松岡氏の後援会幹部は「地元票を固めるため、神辺の代表であることをしっかりとアピールしたい」と警戒感を強める。
神辺町は、福山市のベッドタウンとして商業施設や新興住宅地が増えている。しかも町内で県議選が投票になるのは二十年ぶり。各陣営は「選挙区も広がり、有権者は初めての選挙と受け止めている」と、票の掘り起こしを狙う。
自民党現職の川上氏は、亀井静香衆院議員の秘書時代の人脈やスポーツ団体との関係を軸に活動を展開。町内有力企業が支援を表明した自民党現職の門田氏は、教育関係のつながりも生かした動きをみせる。
公明党や共産党の公認、労組系の立候補予定者は、元町議らを支援してきた「組織」を中心に知名度アップを図る。
現職二人が立候補する公明党は、田辺氏が神辺町を地盤に加え「名前を浸透させたい」とあいさつ回りを徹底する。浅野氏も「厳しい選挙。全市域に訴えを広げたい」と表情を引き締める。
「浮動票が鍵」とみる共産党現職の辻氏。党支持者に加え、無党派層の関心を高めようと街頭演説を精力的にこなす。無所属現職の渡壁氏は、二月に地域事務所を設け、元町議や旧町職員労組のつながりで切り込む。
告示前に激しさを増す「神辺の攻防」―。ある陣営の幹部は「有権者が『地元意識』をどう持つかで、票の流れは変わる」と読む。
    
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