■有権者、財政再建を重視
二十一世紀最初の国政選挙となる参院選を控え、中国新聞社は、
中国五県の有権者千人と国会議員・参院選立候補予定者全員を対象
に、ほぼ同じ質問による政治意識調査を実施した。昨年六月の衆院
選前と同じ手法の調査で、財政再建を重視する有権者が昨年に比べ
大きく増えるなど、意識の変化が浮き彫りになった。一方、参院選
の争点や「民意」の政治への反映などについては、有権者と政治家
の意識のずれが随所に表れた。
「改革」を掲げる小泉純一郎内閣の誕生を受け、「政治はより民
意を反映する形へと変わるのか」と尋ねたところ、有権者の66・8
%、政治家の63・3%が「変わると思う」と回答。似通った数字だ
が、その理由については、有権者の四割が小泉首相の政治姿勢を挙
げたのに対し、政治家は国会議員に対する国民の目の厳しさが四分
の一と最も多かった。
一方、「国政に国民の声が届いている」と答えた有権者は4・2
%にすぎない。政治家は20・4%で、民意の反映に対する現状認識
の隔たりが鮮明に表れた。ただ、「少しは届いている」を含めると
有権者は37・9%、政治家は44・9%と差は縮小。有権者は昨年の
調査を17・9ポイント上回った。
「どうすれば国民の声が届くのか」では、有権者は国民投票など
の導入が28・4%と最も多く、政治家は「有権者が政治家の言動に
注視する」が29・6%で最多。有権者が民意をくみ取る新しいシス
テムを求めているのに対し、政治家は有権者に責任をゆだねる。
参院選の争点は、有権者は経済対策、雇用・失業対策に次いで福
祉政策と財政再建が、ほぼ同率で並ぶ。政治家は経済対策、社会保
障政策、雇用・失業対策の順。昨年と比べ、財政再建を挙げる有権
者が約11ポイントも増えているのが目立つ。子や孫の世代に借金を残す有
権者の不安が顕著に表れたといえる。
経済政策の中身でも、有権者の49・4%は公共事業など財政出動
より財政再建を重視している。政治家は22・4%と有権者の半数に
満たず、認識の開きが大きい。
参院選で投票に行くかどうかについては、有権者の91・8%が
「行く」と回答。昨年の「衆院選に投票に行く」を6ポイント強上回り、
関心の高まりがうかがえる。ただ、今回から比例代表に導入される
非拘束名簿式を知っている有権者は、ほぼ四人に一人にとどまり、
新しい制度が浸透していない実態も浮かび上がった。
【調査の方法】
《有権者》1〜5日の5日間、中国5県の有権者1000人を対
象に、調査員が電話をかけて回答を聞いた。全有権者の縮図となる
よう県別有権者の性別、年代別比率に応じて、電話帳から対象者を
選んだ。回答者は男性473人、女性527人。
《国会議員・参院選立候補予定者》5月28日〜6月11日の間、5
県選出の衆参両院議員と、参院選で5選挙区から立候補を予定して
いる計58人に調査用紙を郵送。ファクスで回答を求めた。49人が回
答し、回収率は84・5%だった。
   
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