中国新聞・参院選2001
中国地方各界の声 熱い期待、厳しい視線 '01/7/13

 ■景気策を/心の教育を/地方軽視ノー

 「改革」コールを響かせ参院選が十二日、スタートした。十七日 間の選挙期間中、有権者は改革の中身と向き合う。「聖域なき構造 改革」への期待と、その「痛み」に対する不安が交錯する中、論戦 への思いを中国地方の各界から聞いた。

 食品製造会社社長の天野肇さん(62)=福山市道三町

 大企業が生き残るために、中小企業が押しつぶされていくような 現状は好ましくない。既成の考えを変えていける人に政治を担って ほしいが、有権者は浮わついた改革ムードに流されるのではなく、 実行力を持った人を選んでほしい。

 山口商工会議所の中野勉会頭(57)=山口市中央

 不況が長引き、中小・零細企業は体力を消耗している。商店街は 空き店舗が埋まらない。構造改革は必要だが、弱者が虐げられては 意味がない。痛みが強いと消費は冷え込むばかり。景気立て直しを 最優先してほしい。

 三次ピオーネ生産組合の西田数馬組合長(51)=三次市大田幸町

 ムード先行の選挙になっている。小泉首相の口からは、農業政策 について具体的な方針が聞かれない。都市を守っているのは農村だ という意識も忘れられている。米作りをはじめ、積極的な農業施策 を示してほしい。

 尾道市社会福祉協議会の松井裕子地域福祉係長(53)=尾道市美ノ 郷町

 四人に一人が六十五歳以上となる時代を控え、適切な医療や福祉 サービスを維持するには、社会保障費の負担増はやむを得ない。若 い世代が将来に不安を覚えないよう雇用を創出し、元気なお年寄り が働ける環境づくりに力を注いでほしい。

 岡山県医師会の小谷秀成会長(68)=岡山市旭本町

 構造改革を経済再建につなげてほしい。ただ、社会保障政策につ いては介護、医療、年金と国民負担が今後大きくなる。一律に抑制 するのではなく、専門家の意見も取り入れ、残すべきは残していく メリハリのある改革にするべきだ。

 芸予地震で石垣が崩れるなどの被害が相次いだ呉市西畑町の梅河 内秀登自治会長(80)

 地震から三カ月以上たつ今も、住民は雨のたびに不安を感じてい る。石垣を直す資金がないため自宅を手放して公営住宅に移り住ん だ人もいる。住民が安心して暮らせる対策を考えてほしい。

 広島市PTA協議会の渡部武会長(50)=中区千田町一丁目

 低年齢層の凶悪犯罪が相次いでいる。心の教育の必要性が叫ばれ るが、教育は子どもだけの問題ではない。大人も心の豊かさ、ゆと りを取り戻し教育にもっと携わるべきだ。大人のかかわり方を含 め、教育改革の具体策を論議してもらいたい。

 山口県町村会の岡林久熊副会長(74)=鹿野町上野

 地方町村の財政はどこも厳しい。構造改革が地方交付税や道路特 定財源の削減など、地方に痛みを押し付けるのではという危機感は 強い。地方に配慮し、「米百俵」の精神で、痛みを都市と地方が分 かち合う政策を議論してほしい。

 「米兵の犯罪を許さない市民の会」の川原浩蔵代表(34)=岩国市 元町

 借金は増えるのに、米軍岩国基地には滑走路沖合移設などに多く の税金が投入されている。基地の現実をどう考え、市民と基地のど ちらの側に立つのか、政治家ははっきりするべきだ。日米地位協定 の見直しも論議されている。基地問題をしっかり議論してほしい。

 島根県立大の別枝行夫教授(48)=浜田市竹迫町

 小泉首相には歴史認識と憲法遵守の発想が欠落している。公人の 長たる首相が「靖国神社参拝は個人の素朴な感情で」と口にする感 覚を、争点にすべきだ。


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