中国新聞・参院選2001
中国地方5選挙区、事実上初の与党独占 '01/7/30

 ■民主、細った支持基盤

 【解説】 高い小泉内閣の支持率を「追い風」に自民が底力を発揮し、民主の追走を振り切った。二十四人が六議席を競った中国地方の五選挙区は、終盤情勢がそのまま、開票結果につながった。自民は改選前の五議席を確保。広島の無所属新人を加え、事実上の「与党独占」を初めて果たした。民主は前職二人が議席を失い、参院勢力を半減。与野党が明暗を大きく分けた。(井上浩一)

 ●与党勢力当選6氏 「痛み」明示せず

 自民圧勝の潮流は、四月の自民党総裁選に端を発する。国民的支持を集める首相の人気を、自民の前職五人は最大限に活用。広島で当選した無所属新人も「首相支持」を鮮明に打ち出し、公明の支援も取り付けて与党の枠組みの中で、選挙戦を展開した。

 広島では元テレビキャスターの無所属新人が、自民や民主、公明の支持層など幅広く浸透。高い知名度を得票につなげた。危機感を強めた自民前職は、終盤に党三役の応援を依頼するなど過去にはない基盤固めに動いた。これに対し民主前職は、小泉人気の「逆風」をはね返せなかった。

 定数減で前職二人のうち一人が落選する戦いとなった岡山は、総務相の自民前職が「小泉内閣の一員」を強調。高い内閣支持率を得票に結び付けた。民主前職は「中国地方で唯一の女性前職」と議席維持をアピールしたが、かなわなかった。山口、島根、鳥取では、自民前職が野党新人を寄せ付けなかった。

 広島と岡山の民主敗退には、小泉人気以外の背景もある。六年前、両前職は新進党に属し、公明勢力の支援を受けた。今回、公明は与党の枠組みで自民前職を推薦し、当初から基盤縮小を強いられた。候補を擁立しなかった社民支持層を、まとめ切れなかったのも響いた。さらに主軸の連合の組合員が、広島で十年間に約三万人も減少するなど、企業のリストラも選挙戦に影を落とした。

 一方、自民は圧勝したが、党総裁選の予備選では山口を除く四県連や党員の多くは、首相以外の候補を支持した。その前職たちが「首相人気」にも乗り、議席を守るという皮肉な結果となった。

 選挙戦の最大の争点だった「構造改革」。無所属新人を含め当選した六人は、その道筋や「国民が耐えるべき痛み」を明確に示し得たとは言い難い。その意味で、中国地方の有権者が下した審判は、自らの変革への期待と、参院選後に本格化する改革の実像に、ズレを生じさせかねない危うさをもはらんでいる。


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