参院選から一夜明けた三十日、広島選挙区で当選した無所属新人の柏村武昭さん(57)と自民前職の溝手顕正さん(58)は、真っ黒に日焼けした顔で、十七日間の激戦を振り返り、参院議員としての抱負を語った。
■世論味方に筋通したい 柏村さん
目が覚めて、宿泊したホテルの最上階の部屋から、まぶしい広島の市街地を見下ろしていたという。「この街の皆さんの幸せを考えなきゃいけないと思うと、責任感でいっぱい」。感激もそこそこに表情を引き締める。
無所属でトップ当選。終盤の溝手さんの追い上げに「自民党の力ってすごいね」と評し、「組織も金もない僕が、大自民党に勝った。大多数に勝つには世論を味方に、筋で対抗するしかない」。やっぱり自分と小泉首相は似ている、と笑う。
その自民党入りも取りざたされる。「自民でも民主でも筋が通っていればいい。が、自分がベストという考え方でいきたい。考えに近い所へ行く」。当面は無所属を通すが、「六、七人の仲間を集めて柏村新党を作りたい」との夢もある。
オフホワイトのスーツに、黄色いネクタイを合わせたコーディネートは妻洋子さん(48)の見立て。家族と離れ、単身での東京暮らしとなる。「皆さんの意見を国会へ届けるのが僕の役目。どんなに笑われようと、理想に向かって一生懸命頑張るドンキホーテになる」
■地方制度の改革に全力 溝手さん
前回よりも十万近く得票を伸ばして当選した溝手さんは、三原市本町の自宅で妻美重子さん(57)と喜びの朝を迎えた。報道陣の取材に応じ、地元や県内各地の支援者にあいさつ回りをした。
選挙期間中、「小泉改革」の推進を訴えた。「改革に寄せる期待をひしひしと感じた」と言い、言葉を継いだ。「ただ、改革の中身で誤解もある。これからも機会あるごとに説明し、理解を得たい」。優先順位については、「特殊法人を含めた中央の行政制度の改革を一番に進める。国が率先してやることが重要だ」と強調した。
選挙戦では、知名度抜群の柏村さんが立候補し、陣営内に危機感が生まれた。「これで引き締まった」と得票アップの要因に挙げた。
三期目に向けては、「地方の問題に取り組む」ときっぱり。「今の市町村の原形は、戦後の合併による再編が一段落した昭和三十年ごろにある。その後に、人口が半減しているところもあり、今日的な仕組みに変えなくては」。地方自治システムの改革へ向け、日焼けした顔を引き締めた。
【写真説明】(上)「当面は無所属を貫く」と話す柏村さん(下)自宅で、「地方の問題に取り組む」と話す溝手さん
   
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