ジェフの贈り物  <愛媛県伯方町>


■ 海超えた友情 橋渡し ■

 年六月、瀬戸内に浮かぶ島の愛媛県越智郡伯方町に、県内外から外国人が集まってくる。お楽しみは、一泊二日のホームステイと海岸でのバーベキュー。町国際交流員のジェフリー・ホーンさん(28)が、世話役を務めてきた。

 「島は小さいのに、英語を話す人が多い。伯方町を訪れた外国人は皆、びっくりします」。海運業や造船業が盛んなことを理由に挙げる人もいる。

 町がホームステイの受け入れを始めた平成五年からホストファミリーになってきた会社員馬越正明さん(44)宅には、昨年に続き、同県宇摩郡土居町で英語指導助手をするトーマス・ザレスキさん(34)が訪ねてきた。アウトドアの趣味が合い、何度か一緒にキャンプにも出掛けている。

 「そもそもは、男性の受け入れ先が足りないからと頼まれたのがきっかけ。でも、異文化に触れるのは楽しい」。馬越家は毎夏、石槌スカイラインにほど近い同県上浮穴郡美川村の面河(おもご)川を訪ねている。その恒例イベントに、今年はトーマスさんを誘った。

 色の澄んだ流れに体を預け、トーマスさんは馬越さんの息子らと岩の上から飛び込んだりボートで川下りをして川遊びを満喫。馬越さんは「遊び方が板についている」と、真剣に感心している。流ちょうな日本語を褒めると、「日本人は英語を話したいと言いながら勉強をしない。ぼくは勉強しました」と胸を張る。ちょっとしたやりとりにも、教えられることは多い。

 そんな小さくて大きい国際交流が進む中、文字通り、橋渡し役だったジェフさんがアメリカに帰ることになった。ロサンゼルスに住む家族の事情で、任期半ばの帰国。気さくで努力家であるところが慕われたジェフさんの送別会は、連夜のように開かれた。

 ェフさん自身、伯方町に定住することも考えたというほど、町に溶け込んでいた。「ほかの外国人にも伯方に来てもらい、友達をつくってまた伯方を訪ねてほしい」。前任者の意思を継いだホームステイ事業には、そんな願いも込められていた。

 気心の知れた英会話クラスの初期の生徒らが開いたお別れパーティーは、明け方近くまで続いた。「英語を習うだけじゃなく、枝がいっぱい広がった。それぞれ友人として、関係は続くんじゃないかな」。島の人たちの心の声は、ジェフさんに届いたか。



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